みすず書房

マルティン・ブーバー

Martin Buber

1878-1965。ウィーンに生まれる。 3歳の時から幼少年時代を主としてガリチア(ポーランド)の祖父ザロモン・ブーバーの家に住み、のちウィーン、チューリヒ、ベルリンなどで哲学や芸術史を研究し、 1904年に論文『個体化の問題の歴史について(クザーヌスとベーメ)』で学位を取得。学生時代にはシオニズムの運動にも参加したが、政治的シオニズムとは異なる立場からユダヤ文化のために尽力するに至り、1916年から24年までは雑誌「ユダヤ人」を編集する。1923年には主著『我と汝』を出版。またこの年から33年まではフランクフルト大学で宗教学とユダヤ教倫理を講ずる。38年、ドイツを去り、 イスラエルに住み、51年までヘブライ大学の教授を務める。著作は邦訳されて『ブーバー著作集』(全10巻、みすず書房)に収められたもの以外にも、『ひとつの土地にふたつの民』(合田正人訳、みすず書房)など重要なものが多く、旧約聖書のドイツ語への新訳も高く評価されている。