みすず書房

エリザベス・ギャスケル

Elizabeth Gaskell

1810年9月29日ロンドンはチェルシーのリンゼイ・ロウ(現在のチェイニ・ウォーク93)でウィリアム・ステイーヴンソンとエリザべス・ホランドの間に生まれた。8人の子供のうち彼女と兄ジョンだけが生き残る。両親の敬虔なユニテリアニズムは彼女に強い影響を与えた。1811年母親が死に、ナッツフォードの叔母ハナ・ラムの許で成長する。1828年ジョンがインドへの航海中行方不明となり、父親と義母の間で暮らし始めたが、翌年父親が死亡し、ニュー・カースルの牧師ウィリアム・タートの家で暮らすことになった。1832年8月30日ユニテリアン派の牧師ウィリアム・ギャスケルと結婚し、マンチェスターに住んだ。1845年長男ウィリアムが猩紅熱で死亡したが、悲しみを克服して1848年『メアリ・バートン』を出版し、ディケンズなどに認められた。1850年ディケンズ編集の『ハウスホールド・ワーズ』に『リジー・リー』などを寄稿した。この年サー・ケイ=シャトルワースの紹介でシャーロット・ブロンテと知り合い、親交を深めていった。1853年ナッツフォードの思い出をヒントこして『クランフォード』を出版。同年私生児を生んだ娘をヒロインとした『ルース』、1855年マンチェスターの労働問題を扱った『北と南』を出版した。1855年3月31日シャーロット・ブロンテが死去し、父親パトリックの依頼を受けて『シャ一口ット・ブロンテの生涯』(1857年)を書き上げた。作家活動は盛んで1858年田園を舞台にした『従妹フィリス』、1859年にはナポレオン執争を扱った歴史小説『シルヴィアの恋人たち』を発表し、1864年『妻たちと娘たち』を執筆中に発病し、1865年11月12日未完のままこの世を去った。