みすず書房

謝花昇

じゃはな・のぼる

1865年、琉球王国東風平に農民の子として生まれる。14歳で総地頭の御殿へ奉公に出て漢字を学ぶ。15歳の春に琉球処分、沖縄県設置。16歳で設立された東風平小学校に入学、17歳で沖縄県師範学校に入学。1882年、18歳で第一回県費留学生として東京留学、学習院別則中学科に入学。1885年、東京山林学校入学、翌年廃校となり東京農林学校予備科へ編入、1888年同農科本科に進む。1890年、同校は帝国大学と合併、1891年帝国大学農科大学農学科を卒業して帰郷。沖縄県技師として県内務部に勤務、農商工の職務に奔走。1896年『沖縄糖業論』を自費出版。1898年、土地整理事業をめぐり知事と対立、辞職。土地整理についての陳情と参政権獲得運動のため上京。1899年、憲政党入党。また沖縄倶楽部を結成し『沖縄時論』発行。1900年、沖縄倶楽部の自然解散、『沖縄時論』で論説を展開。年末、生活のため職を求めて家族を残し単身東京に向かう。1901年5月、山口県へ農事試験場技手として赴任する途中、神戸駅で精神に異常をきたし、故郷で療養生活に入る。1902年『沖縄時論』廃刊。1904年、精神障害の重病化に慢性胃腸カタルを併発し満43歳で死去。