みすず書房

ニロッド・チョウドリー

Nirad C. Chaudhuri

1897年インド東ベンガル(現バングラデシュ)のキショルガンジの弁護士の家に生まれる。1918年にカルカッタ大学歴史学科を卒業、公務員、文芸誌の編集者を経て、高揚する民族運動に身を投じ、ベンガル地方の国民会議派の最高幹部S・C・ボースの秘書となる。1942年から独立後までデリーの全インド放送局の政治解説者として活躍、1952年退職後はフリーのジャーナリストとして「タイムズ」「ステイツマン」など、内外の有力紙に健筆をふるう。この頃から著作活動を開始し、1951年にThe Autobiography of an Unknow Indianを刊行、一躍文壇に出る。1955年にイギリスBBCの招きでヨーロッパを訪問、帰国後A Passage to England(1959)、The Continent of Circe(1965)をロンドンで出版、インドの代表的英語作家の一人として国際的に知られる。1970年にマックス・ミューラーの伝記研究のために渡英、1974年に評伝Scholar Extraordinaryを上梓、インド文学院賞受賞、この間アメリカのシカゴ大学、テキサス大学から客員教授に招聘される。以来オックスフォードに永住して著述に専念。Clive of India(1975)、Hinduism(1979〔『ヒンドゥー教』森本達雄訳、みすず書房、1996〕)につづき、1987年90歳にしてThy Hand, Great Anarch!を刊行、読書界に健在を示す。なお、1975年にイギリス王立文学協会会員に推挙される。