みすず書房

林芙美子

はやし・ふみこ

1903年5月頃、福岡県門司市で行商人、宮田麻太郎・林キクの子として生まれる。正確なところはわからない。1922年、尾道高等女学校を卒業後、岡野軍一を追って上京、事務員・女工・女給などの職を転々としながら詩を書きはじめる。1928年10月『女人藝術』に「秋が来たんだ——放浪記」の連載を開始、この連載を元に改造社から1930年7月に新鋭文学叢書の一冊として刊行された『放浪記』はベストセラーになった。同年11月に『続放浪記』を同じく改造社から、戦後の1949年には『放浪記 第三部』(留女書店)をそれぞれ刊行した。1951年に47歳で急逝するまで、第一線の女流作家としての活躍を続ける。作品は他に「風琴と魚の町」「清貧の書」「晩菊」「めし」「浮雲」など多数。