みすず書房

ハーバート・リード

Harbert Read

1893-1968。文学批評家、美術評論家。ヨークシャー州の農家に生まれた。青年時代、ブレイク、ブラウニング、リルケらの影響を受けた詩人であったが、第一次世界大戦に出征し、帰還後ビクトリア・アンド・アルバート美術館に勤務中、所蔵品の解説をしたことが動機で美術批評家としての活動を始める。彼の美学思想はフロイトの精神分析とくにユングの無意識学説の影響を最もふかく受けている。美術評論家としての彼の活動の範囲は広く、主著は文学批評もふくめて殆ど邦訳がある。その主なものは造形美術に関しては『今日の絵画』(新潮社、1953)『芸術による教育』(美術出版社、1953)『インダストリアル・デザイン——芸術と産業』(1957)『モダン・アートの哲学』(1955)『イコンとイデア』(1957)。文学批評に関するものでは『散文論』(1958、1967)『文学批評論』(1958)『詩についての8章』(1956、以上みすず書房)などのほか『自伝』(法政大学出版局、1970)がある。