みすず書房

ポール・クローデル

Paul Claudel

東北フランス、エーヌ県タルドノワの小村に生れる。1882年、彫刻家をめざす姉カミーユの意志で一家はパリに移住。ランボーやマラルメの詩に触発されたり、ノートルダム大聖堂で神の啓示を受けたりしながら、詩句の本質や演劇への思索を深めていった。1890年、処女作『黄金の頭』を発表、劇詩人クローデルの出発であった。同年に外交官試験に合格し、1893年から1935年の長きにわたり、南北アメリカ、中国、日本など世界各地に在勤。この経験はその詩や戯曲、思想に色濃く反映されている。『繻子の鞄』(1929)や『三声による頌歌』(1913)をはじめ数ある戯曲や詩の他に、理論的散文『詩法』(1907)や作家論『立場と提言』(1928-34)、卓抜な日本文化論『朝日の中の黒い鳥』(1927)などの評論がある。本書は批評家クローデルの白眉といえる。