みすず書房

アンドレイ・シニャフスキー

Andrei Donatovich Sinyavsky

1925-1997。モスクワ生まれ。父は元社会革命党員で小説も書き、母は図書館の司書などをしていた。戦争中は無線技士として働き、戦後はモスクワ大学文学部で学んだ。大学院修了後は世界文学研究所の研究員としてソヴィエト文学を専門的に研究するとともに、新進気鋭の批評家として頭角を現し、1950年代後半より書き溜めていた文学作品をアブラム・テルツのペンネームで西側世界に発表した。しかしそのために1965年9月8日に逮捕され、1966年2月の「シニャフスキー=ダニエル裁判」は広く西側で報道された。1971年に釈放後は無職のまま過ごし、1973年にフランスに戻った昔の生徒の助けによりパリに亡命、ソルボンヌ大学の講師となる。その後、『プーシキンとの散歩』(1975)『ゴーゴリの影に』(1975)『ローザノフの「落葉」』(1982)『ソヴィエト文明の基礎』(1989)『イワンのばか』(1991)などの研究書・評論を発表。アブラム・テルツ名で小説『おやすみなさい』(1984)その他も刊行した。