構造革命
LA REVOLUTION STRUCTURALE
サルトル的政治イデオロギーの水面下で、深く静かな〈知〉の変換が準備されていた。60年代に噴出した構造主義である。それが人文科学・社会科学・哲学にあたえた衝撃は、革命の名にふさわしい。それは文明のシステム、そのコードを変えた。世界のなかのシーニュ、暗喩、構造などを解読するためには、既成の強迫観念的な、空疎な古いユマニスムは棄てられねばならなかった。この衝撃の強大さは、18世紀、19世紀末の科学革命にも比較できるだろう。
レヴィ=ストロースによる神話解読、ラカンの無意識の精神分析、アルチュセールによる豊かで、反抗的な弁証法の充実などを中核に、ミシェル・セールやクリステヴァの知的星座を配した本書は、構造革命にもっとも詳細な展望をあたえている。〈収容所列島〉の現代の、全体主義的な哲学的政治的閉塞状況にたいする見取図であり、またひとつの処方である。
これは新しい詩学の到来を告げ、ヨーロッパ文明の黄金時代を形成したバロック的、バッハ的、ライプニッツ的世界のもつシンボル系とレトリックの歓びを、ここに再現している。
「構造革命」の著訳者:
- ジャン=マリー・ブノワ
- Jean-Marie Benoist
- 1942年に生まれる。エコル・ノルマル・シュベリュール卒業。ロンドンのリセ・フランセの哲学教授からフランス大使館の文化担当官を経て、1974年以来コレージュ・ド・フランスの講師を務めている。1970年刊行の『マルクスは死んだ』で一躍名を馳せ、ヌーボー・フィロゾフ(新しい哲学者たち)のひとりとして次々と著作を刊行している(「訳者あとがき」参照)。また種々の新聞雑誌に寄稿するジャーナリスト、叢書「クロワゼ」(PUF社)の編集者でもある。1978年と1981年には、共産党に反対する立場から選挙に出馬するなど、新しいタイプの哲学者・ジャーナリスト・政治家といえるだろう。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 早水洋太郎
- はやみず・ようたろう
- 1941年に生まれる。1972年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。愛知県立大学外国語学部教授。フランス文学専攻。論文「バルザックの小説におけるものと意味――コノテーションについて」(1977)「バルザック『老嬢』について――風俗小説を読む」(1983)「バルザックの経済小説を読む――『ウジェニー・グランデ』」(1999)。訳書 ラプランシュ/ポンタリス『精神分析用語辞典』(共訳、みすず書房1977)ラカン『エクリII』(共訳、弘文堂1977)ブノワ『構造革命』(共訳、みすず書房1984)アンリ・エー編『無意識II、無意識と言語』(金剛出版1986)スタロバンスキー『モンテーニュは動く』(みすず書房1993)。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 原田邦夫
- はらだ・くにお
- 1942年に生まれる。1967年名古屋大学大学院文学研究科修士課程修了。現在 愛知県立大学外国語学部助教授。フランス文学専攻。論文「身体のテクスト/テクストの身体」(1982-83)。訳書 クリステヴァ『中国の女たち』(共訳)。『セメイオチケ 1』(以上、せりか書房、1981、1983)。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 本多英太郎
- ほんだ・ひでたろう
- 1941年に生まれる。1968年大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。現在 愛知県立大学外国語学部助教授。西洋近世哲学専攻。著書『フランスの哲学 3』(共著、東京大学出版会、1975)ほか。訳書 デカルト「哲学原理」(共訳『デカルト著作集3』所収、白水社、1973)ほか。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
「構造革命」の画像:
「構造革命」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/384頁
- 定価 4,830円(本体4,600円)
- ISBN 4-622-00445-3 C1010
- 1984年8月1日発行
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