みすず書房

教育術

ERZIEHUNGSKUNST METHODISCH-DIDAKTISCHES

判型 四六判
頁数 248頁
定価 2,420円 (本体:2,200円)
ISBN 978-4-622-00613-8
Cコード C1037
発行日 1986年11月26日
備考 現在品切
オンラインで購入
教育術

著者シュタイナーは人が生まれてからおとなになるまでの間を、7年を単位として3つの段階でとらえようとする。本書では、そのうちの2番目の7年間の子どもに対する教育的関わり方が大きなテーマになっている。身体の健全な発育が中心課題である生後7年間の第1期を経て、第2・7年期では、芸術的な体験を通して世界を感じとる「感性」を伸ばすことが教育の大きな目標とされる。したがって、たとえ読み書きや計算といった抽象的な事柄でも、子どもの「感性」に訴えるべく芸術的に教育されなければならないと考える。

「抽象的思考」が教育目標の中心となる第3・7年期への移行期が具体的内容である。ここでは個人差は学習速度の違いにすぎないと考えられている。現代日本の教育が、いかに知育偏重に陥っているか、具体的かつ根底的に気付かせてくれる説得力が本書にはある。明日への教育に大きな刺戟と影響を与えるにちがいない。

また著者の結論は、教師の職業にとっての黄金律となる言葉で締めくくられている。ひからびるな。新鮮さを失うな。これはそのためのすばらしいマニュアルといえよう。

目次

第1講 序論
第2講 ことばについて
第3講 2つの芸術領域
第4講 初めての授業
第5講 文字と読みの指導
第6講 生活のリズムと授業でのリズミカルなくり返し
第7講 9歳時の授業
第8講 12歳以降の授業
第9講 ドイツ語と外国語の授業
第10講 9歳から14歳までの授業
第11講 地理学の授業
第12講 児童の学習と実生活の結びつき
第13講 カリキュラムの構成
第14講 教育のモラルから授業実践へ
結語 教育の4つの原理

編集者からひとこと

シュタイナー教育の原理を語る実践マニュアル。自由ヴァルドルフ学校の創設にあたっておこなわれた14日間の講義をまとめた本です。
「子どもが初めて学校に来た第一時間目の授業」はどのように? 教室で子どもたちに向かい合った先生が最初に話しかけるべき言葉の例が、ちゃんと書かれています。

書評情報

UA
月刊クーヨン2010年11月号