むずかしい時期の子供たち
学習障害児たちとの経験
DUMMHEIT IST LERNBAR
判型 | 四六判 |
---|---|
定価 | 2,970円 (本体:2,700円) |
ISBN | 978-4-622-01220-7 |
Cコード | C0037 |
発行日 | 1988年9月30日 |
備考 | 現在品切 |
DUMMHEIT IST LERNBAR
判型 | 四六判 |
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定価 | 2,970円 (本体:2,700円) |
ISBN | 978-4-622-01220-7 |
Cコード | C0037 |
発行日 | 1988年9月30日 |
備考 | 現在品切 |
勉強ができない、学校になじめない、そんな子供たちには「頭が悪い」「愚鈍」というレッテルが貼られる。けれども、いったい誰が、どんな根拠からそんな判定を下せるのだろうか?
本書の舞台となるのは、こうした世間の望む〈社会適応型〉の枠からはみだしてしまった子供たちのための学校(補助学校)である。スイス——ピアジェが校長であった「ルソー研究所」の学校があり、またペスタロッチを生んだ国——のチューリヒにあるこの学校の教師イェッゲは、生徒たちの実態をレポートしている。
彼の受け持ちは12歳から16歳までのむずかしい時期の子供たち。彼らとつきあいながら、イェッゲは彼らの障害——頭が悪いこと——は先天的なものではなく、後天的に、社会や家庭の環境によってつくられたものであると気づく。本書の原タイトルは〈愚鈍は習得される〉、つまり愚鈍は忘れることもできる、というわけだ。その証拠に、若者との人間的な交わりを通して、子供たちは自らの隠れた才能を発見し、自信をもち、見ちがえるように生きいきとしてくる。普通の子供たち顔負けの作文や、著者と彼らとの対話を交えながら、本書にはその過程がみごとに描かれている。
現代日本の教育と社会への警告の書でもある。