「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



ゴシックの大聖堂

ゴシック建築の起源と中世の秩序概念

THE GOTHIC CATHEDRAL


西欧中世の文化を具体的に代表し、その気高さと偉大さをここを訪れる現代の人びとに伝達させずにはいないゴシックの大聖堂――それはしばしば「凍れる音楽」ともいわれている。この書は、この卓越した新しい創造物をつくり出した意志とエネルギー、そしてその最初の結晶にまで導いたプロセスに焦点をあて、その創造に関与した一人の天才の姿を生き生きと再現する。著者の記述はその最初の結晶としてのサン=ドニ修道院と初期ゴシックの古典的表現といわれるシャルトル大聖堂の二つの実例について描かれる。それは技術と実際についての記述を伴いつつ、たんに建築様式にとどまらない、意味としての、思想としての中世芸術のすがたの探究であって、宗教意識が建築のスタイルに与えた影響を精細に探究してゆくのである。ゴシック建築の二つの特徴である光の形而上学と幾何学的秩序の鮮やかな分析が試みられるとともに、12世紀思想としてのサン=ドニの光の神秘主義、クレルポーのサン=ベルナールの驚くべき禁欲主義、シャルトル学院のキリスト教的プラトニズムなどが相倚り、流れをなし、ひとつのヴィジョンとして透視され、具体的な建築物に結晶してゆくのであり、その手と魂の協力の成果がゴシックの大聖堂となるのである。これはゴシック建築の諸起源と中世の秩序概念がみごとな一貫性をもって解明された画期的な著作である。著者はドイツに生まれ、ミュンヘンで学んだのち、1939年渡米、1945年からシカゴ大学の教職にあった。中世美術史の卓越した研究者であり、またルーベンス研究でも知られている。


「ゴシックの大聖堂」の著訳者:

オットー・フォン・ジムソン
Otto von Simson
1912年ドイツで生まれる。ミュンへンで学んだのち1939年に渡米して合衆国の各地の学校で教鞭をとる。1945年シカゴ大学助教授、1947年同準教授、1951年同教授。第二次大戦後はフランクフルト・アム・マイン大学の客員数授に迎えられてドイツに帰り、その後ユネスコのドイツ代表団の一員としてパリで活躍。1964年にべルリン自由大学美術史研究所の教授に招碑されてその所長を務めた。その後定年を迎えて退職。1993年歿。
著書としてプロピレーン美術史叢書第6巻『中世II、盛期中世』Das Mittelatter II,Das hohe Mittelatter(Propylaen Kunstgeschichte6)Berlin,972がある。またルーベンスの研究者としても知られている。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
前川道郎
まえかわ・みちお
1931年、大阪に生まれる。1954年、京都大学工学部建築学科卒業。同大学院博士課程学修。京都大学教養部教授を経て、九州大学工学部教授。京都大学名誉教授。九州大学名誉教授。エ学博士。2000年歿。
著書に『ゴシックと建築空間』(ナカニシヤ出版、1978)、『凍れる音楽、シャルトル大聖堂』(磯崎新+篠山紀信、建築行脚、第6巻、共著、六耀社、1983)、『建築造形論』(新建築学大系、第6巻、共著、彰国社、1985)などがあり、また訳書としてはS.ギーディオン『建築、その変遠―古代ローマの建築空間をめぐって』(共訳、みすず書房、1978)、パノフスキー『ゴシック建築とスコラ学』(平凡社、1987)などがある。『ゴシック建築の空間論的研究』によって1978年度日本建築学会賞受賞。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「ゴシックの大聖堂」の画像:

ゴシックの大聖堂

「ゴシックの大聖堂」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/328頁
定価 5,775円(本体5,500円)
ISBN 4-622-01259-6 C1016
1985年6月20日発行

この本を購入する