ゴシックの大聖堂
ゴシック建築の起源と中世の秩序概念
THE GOTHIC CATHEDRAL
- 著者
- オットー・フォン・ジムソン
- 訳者
- 前川道郎
西欧中世の文化を具体的に代表し、その気高さと偉大さをここを訪れる現代の人びとに伝達させずにはいないゴシックの大聖堂――それはしばしば「凍れる音楽」ともいわれている。この書は、この卓越した新しい創造物をつくり出した意志とエネルギー、そしてその最初の結晶にまで導いたプロセスに焦点をあて、その創造に関与した一人の天才の姿を生き生きと再現する。著者の記述はその最初の結晶としてのサン=ドニ修道院と初期ゴシックの古典的表現といわれるシャルトル大聖堂の二つの実例について描かれる。それは技術と実際についての記述を伴いつつ、たんに建築様式にとどまらない、意味としての、思想としての中世芸術のすがたの探究であって、宗教意識が建築のスタイルに与えた影響を精細に探究してゆくのである。ゴシック建築の二つの特徴である光の形而上学と幾何学的秩序の鮮やかな分析が試みられるとともに、12世紀思想としてのサン=ドニの光の神秘主義、クレルポーのサン=ベルナールの驚くべき禁欲主義、シャルトル学院のキリスト教的プラトニズムなどが相倚り、流れをなし、ひとつのヴィジョンとして透視され、具体的な建築物に結晶してゆくのであり、その手と魂の協力の成果がゴシックの大聖堂となるのである。これはゴシック建築の諸起源と中世の秩序概念がみごとな一貫性をもって解明された画期的な著作である。著者はドイツに生まれ、ミュンヘンで学んだのち、1939年渡米、1945年からシカゴ大学の教職にあった。中世美術史の卓越した研究者であり、またルーベンス研究でも知られている。
「ゴシックの大聖堂」の著訳者:
この本の関連書
「ゴシックの大聖堂」の画像:
「ゴシックの大聖堂」の書籍情報:
- A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/328頁
- 定価 5,775円(本体5,500円)
- ISBN 4-622-01259-6 C1016
- 1985年6月20日発行






