みごとな生命の連鎖
THE GREAT CHAIN OF LIFE
判型 | 四六判 |
---|---|
定価 | 2,640円 (本体:2,400円) |
ISBN | 978-4-622-01604-5 |
Cコード | C1045 |
発行日 | 1987年5月28日 |
備考 | 現在品切 |
THE GREAT CHAIN OF LIFE
判型 | 四六判 |
---|---|
定価 | 2,640円 (本体:2,400円) |
ISBN | 978-4-622-01604-5 |
Cコード | C1045 |
発行日 | 1987年5月28日 |
備考 | 現在品切 |
コロンビア大学の英文科教授で、演劇批評家としてもその名をはせたクルーチは、50歳を境にその職を辞して、アメリカ南西部ソノラ砂漠に居を定める。大自然の懐に帰った著者は、一人のナチュラリストとして、数々の動植物誌を著わす。これら一連の著作の中でも、ひときわ異彩を放つのが本書『みごとな生命の連鎖』である。
著者は、単細胞生物の活動をいつくしむような目で観察・記述することから始め、次第に「高等な」生物へと「生命の連鎖」をたどる。文学者としての円熟した知性と、生きとし生けるものへの情愛に満ちた観察が、生命のメカニズムへと切り込んでゆく。とりわけ、政党的な生物学への批判を含む「生命の尊重」、進化論への疑義を表明した「ダーウィンはどこまで正しかったのか」の二章は生物学の根底そのものへの大胆な問題提起である。生きることの喜びをせいいっぱいに表現する鳥の歌声について語った「エピローグ」は、連鎖の「最高の」位置を占める人間、内なる自然を圧殺した種そのものへの鋭い洞察に満ちている。
本書は、自然につつまれて動植物の生態を観察し、砂漠の静寂のもとで生命について思索した異色の生物記・生命論である。