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意識 2

LA CONSCIENCE VOL.2


精神医学は、ある種の才人たちが善意の人たちをからかいながら好んでいうのとは逆にその対象の特殊性によって人間の自由を、その理性を基礎づけるのだ。これはまさしく、人間というものが、その一部の人々だけが狂気しているにしても、概していえば理性的であるからにほかならない。精神障害の「否定性」がそれに依存する意識野と自我の組織解体を通じて、精神医学がわれわれを必然的に導いて行くところは、意識存在の規範となる様態に向ってであり、決して単に、これらの精神病理学的諸様態においてもなお残存するものの「肯定性」を形成する経験と実在との様態に向ってではないのである。……
もしも精神科医が「意識」についていうべき何ものかをもっているとしたら――しかも彼はそれを充分にもっているのだが――彼はその意識をあるがままのものとして、すなわち「理性」としてとらえるのでなければならぬ。――なぜなら彼が治療せんとする「狂気」とは、人間の意識の背理(反対方向)にほかならないのだから。(本書231-232ページ)


「意識 2」の著訳者:

アンリ・エー
Henri Ey
1900年フランスに生れる。1933-70年ボンヌヴァル精神病院長。ドレー、バリュックとならんで現代フランスの代表的精神医学者の一人。精神医学におけるジャクソニズムの数少ない応用者であり、その確信にみちた信奉者。ジャクソンの神経機能の進化と退化に関する理論を指導原理として、精神病の器質力動説を鼓吹する。主著『精神医学エチュード』(金3巻)『ジャクソンと精神医学』(みすず書房、1979)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
大橋博司
おおはし・ひろし
1923-1986。1946年京都大学医学部卒業。精神医学専攻。元国立京都病院長。京都大学名誉教授。著者『臨床脳病理学』(医学書院、1965)『失語症』(中外医学社、1967)『パラケルススの生涯と思想』(思索社、1976)ほか。訳書 アンリ・エー『ジャクソンと精神医学』(共訳、1979)ヴァイツゼッカー『神・自然・人間』(1971)ボインディク『女性』(共訳、1977)(以上みすず書房)アンリ・エー『無意識』(監訳、金剛出版、1986)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「意識 2」の画像:

意識 2

「意識 2」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/264頁
定価 6,510円(本体6,200円)
ISBN 4-622-01961-2 C3011
1971年1月5日発行

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