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一般言語学

ESSAIS DE LINGUISTIQUE GENERALE


現代の言語学における重鎮ロマーン・ヤーコブソンの研究は、モスクワ大学ラザレフ東洋語学院以来、モスクワ言語学集団、プラーグ言語学集団への創設・参加を経て、ナチスの侵略にあって居をアメリカに移してからの、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の講義にいたるまで、つねに独創的な発展を示してきた。たとえば、構造主義的な考え方は、古く未来派の詩人たちとの交流のなかで形成され、後年アメリカにあってレヴィ=ストロースと〈相互に教師であり、同時に生徒である〉ような親交を結ぶにいたり、文化の新しい地平を開拓することになった。
本書は、人類学者・言語学者会議で講演された現代言語学の状況に関するみごとな分析と展望にはじまり、失語症の問題、音韻論、詩学、通信工学、さらに言語学と隣接諸科学との関連など、広範な領域をカヴァーする秀れて代表的な論文からなっている。この多様な知的業績に一貫している基調は、言語を〈孤立化に対する戦い、孤立化の征服〉として考察するヒューマニスティツクな姿勢であり、境界領域へ積極的にふみこんでいく開かれた精神である。人間文化を探求するにさいして言語学の占める地位がますます重くなった現在、細心に編集されたこれらの論考は、教授の全体を望見させる一方、もっとも卓出した現代言語学入門ともなっている。


「一般言語学」の著訳者:

ロマーン・ヤーコブソン
Roman Jakobson
1896年モスクワに生れる。ラザレフ東洋語学院、モスクワ大
学大学院を卒業。1915年モスクワ言語学集団を創設。1920年チェコスロヴァキアに移り、マサリック大学においてロシア語学などを講ずる。1926年プラーグ言語学集団の創設に参加し、トゥルべツコイを援けて活躍。1939年ナチスの侵入にあって、デンマークとスウェーデンに2年間滞在し、それからアメリカヘ移る。1942-47年ニューヨークのEcole Libredes Hautes Etudesにあり、その間にレヴィ=ストロースと相知る。ハ-バード大学、マサチューセッツ工科大学の教授を兼任。両大学名誉教授。1982年歿。教授の業績は多方面にわたるが、その集成として現在、Selected Writings of
Roman Jokobson(The Hague:Mouton、1962ー)が刊行中である。邦訳は、『音声分析序説』(研究社、1965)など多数。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
川本茂雄
かわもと・しげお
1913年東京に生れる。1937年早稲田大学文学部卒業。早稲田大学名誉教授。1983年歿。主著:『言語学概説』(1954)『コンサイス仏和辞典』(1969)『ニューワールド英和辞典』(1969)『ことばとこころ』(1977)『ことばの色彩』(1978)
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
田村すゞ子
たむら・すずこ
1934年名古屋に生れる。1962年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。言語学専攻。現在 早稲田大学名誉教授。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
長嶋善郎
ながしま・よしお
1940年長野県に生れる。1966年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。言語学専攻。現在 学習院大学教授。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
中野直子
なかの・なおこ
1941年東京に生れる。1970年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
第一部 一般問題
I 人類学者・言語学者会議の成果
II 言語の二つの面と失語症の二つのタイプ
III 類型学とその比較言語学への貢献
IV 翻訳の言語学的側面について
V 言語学と通信理論
第二部 音韻論
VI 音韻論と音声学
VII 張りと弛み
第三部 文法
VIII 言語の音素的相と文法的相との相互関係
IX 転換子と動詞範疇とロシア語動詞
X 文法的意味についてのボーアズの見解
第四部 詩学
XI 言語学と詩学
第五部 言語学と隣接諸科学
XII 言語学と隣接諸科学
事項索引
原語索引
人名索引

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一般言語学

「一般言語学」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/328頁
定価 5,670円(本体5,400円)
ISBN 4-622-01970-1 C3010
1973年3月15日発行

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