精神医学 2
躁うつ病とてんかん
PSYCHIATRIE
本書はクレペリン《精神医学》の第2冊として、躁うつ病とてんかんを主題とする内容をふくむ。
周期性ないし循環性精神病の概念は、19世紀からことにフランスで唱えられたが、この中にはマニー、メランコリー、譫妄のほかに急性デメンチア(今日の緊張病)、ワーンジン(急性幻覚妄想症)、一過性マニアなどがはっきり区別されずに入っていたのであろう。妄想のあるマニー、妄想のあるメランコリーなどという名称もあった。これら混沌としたものから精神分裂病と躁うつ病を析出させたのはクレペリンの功績であり、マニーとメランコリーをまとめて躁うつ病としたのである。
これは偉大な功績であった。この100年近くクレペリンは乗りこえられえない存在であった。そしてこれは驚くばかりの新鮮さで、現代精神医学の立つ土台を実感させるであろう。
「躁うつ病とてんかん」の著訳者:
- エーミール・クレペリン
- Emil Kraepelin
- ドイツのノイシュトレリッツに生まれる。1874年、ヴュルツブルグとライプチヒ大学で医学を学び始め、その後ヴント、グッデンの教えを受ける。1883年『精神医学提要』Compendium der Psychiatrie(384頁)を出版。著者27歳のときであり、これが後年の『精神医学』の初版である。いらい版をかさね第8版(1909-1915)では4巻3048頁となった。第9版の第2巻が出版されたのは1927年で、これで中絶した。30歳のとき精神医学の教授となり、ドルパト(エストニア、今日のタルトゥ)、ハイデルベルク、ミュンへン大学を歴任した。フロイトとならぴ、現代精神医学の基礎を築いた一人である。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 西丸四方
- にしまる・しほう
- 1910年生。1936年東京大学医学部卒業、都立松沢病院、東京女子医専講師を経て、信州大学・愛知医科大学名誉教授、北信総合病院顧問。2002年歿。主な著書『傑出人脳の研究』(長与又郎・内村祐之と共著、岩波書店、1939)『精神医学入門』(1949)『臨床精神医学辞典』(1974)『やさしい精神医学』(1975)(以上南山堂)『異常性格の世界』(1954)『心の病気』(1975)(以上創元社)『病める心の記録』(中央公論社、1968)『臨床精神医学研究』(1971)『精神医学の古典を読む』(1989)(以上みすず書房)『精神医学彷徨記』(金剛出版、1976)『彷徨記狂気を担って』(批評社、1991)。訳書 ヤスペルス『精神病理学総論』(共訳、岩波書店、1953)クレッチマー『医学的心理学』(共訳、1955)ヤスパース『精神病理学原論』(1971)チュルン『ジャスミンおとこ』(1975)クレベリン『精神分裂病』『躁うつ病とてんかん』(共訳、1986)ランゲーアイヒバウム『ヘルダリン』(1989)(以上みすず書房)ハインロート『狂気の学理』(中央洋書出版部、1990)ほか。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 西丸甫夫
- にしまる・としお
- 1945年生。1968年岩手医大卒、愛知医大講師、北信総合病院医長を経て、1998年より西丸医院院長。訳書 クレペリン『精神医学臨床講義』(共訳、医学書院、1979)クレペリン『躁うつ病とてんかん』(共訳、みすず書房、1986)。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
「躁うつ病とてんかん」の画像:
「躁うつ病とてんかん」の書籍情報:
- A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/352頁
- 定価 7,875円(本体7,500円)
- ISBN 4-622-02165-X C3047
- 1986年9月30日発行