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人間と適応【第2版】

生物学と医療

MAN ADAPTING


医学の目標は、環境と遺伝という特殊の条件の中で人間がたくみに生存を維持していくのを助けることにある。人間の身体の機構についての化学的組成や性質が重要であるように、人間が社会的な、考える、感じやすい、倫理的な生物であるという事実は、少なくとも人間の医学的な問題を取扱うにあたって重要なことである。

著者は本書で、健康とか病気とかの状態というのは生体が環境の挑戦になんとか適応しようと努力するさいに経験する成功と失敗の表われであることを強調する。そのさい著者の関心は、個々の人間――全力をつくして日々の非常事態に応じ、不確定な未来に備えようとする官能的な平均の人間――に焦点が合わせられている。

しかしながら、経験の示すところによれば、人間は適応系における受動的な成分ではない。一般に人間の応答は個々人の創造として現われてくる。各個人は刺激に反応し、それに適応しながらも、自分で選択したある目的を完遂しようとするものである。

著者の意欲的研究は、『細菌細胞』(1949)、『健康という幻想』(1958)、『人間であるために』(1968)などで知られているが、本書ではその成果があますところなく展開されている。今日の医療行政の諸矛盾、環境問題に関心をもつ人々にとって必読の書といえるであろう。


「人間と適応【第2版】」の著訳者:

ルネ・デュボス
Rene Dubos
1901年フランスに生れる。ハーバード大学、ロックフェラー大学教授を歴任。1982年2月逝去。著書『細菌細胞』(川喜田愛郎訳、岩波書店)『健康という幻想』(田多井吉之介訳、紀伊國屋書店)『パストゥール』(長野敬訳、河出書房)『環境と人間』(田中英彦訳、エンサイクロペディア・ブリタニカ)『人間であるために』『目覚める理性』(野島徳吉・遠藤三喜子訳、紀伊國屋書店)『内なる神』(長野敬・新村朋美訳、蒼樹書房)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
木原弘二
きはら・ひろじ
1929年京都市に生れる。1951年大阪大学理学部卒業。元慶應義塾大学医学部教授。放送大学客員教授。1999年歿。著書『生命とはなにか――そのしくみと働きを探る』(講談社ブルーバックス、1982)『生命と物質』(東海大学出版会、1982)『通風』(中公新書、1990)。訳書 エチオーニ『人間生物学の衝撃』(新曜社、1977)ニーダム『生化学の歴史』(みすず書房、1978)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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「人間と適応【第2版】」の画像:

人間と適応【第2版】

「人間と適応【第2版】」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/456頁
定価 7,770円(本体7,400円)
ISBN 4-622-02219-2 C3040
1982年2月1日発行

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