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その現存在分析

DER TRAUM UND SEINE AUSLEGUNG


メダルト・ボスは1903年スイスに生れた。チューリッヒ大学を卒業後、パリおよびウィーンの諸大学に学び、その後ロンドン、ベルリンでも研究を行なっている。1930年頃からチューリッヒのE・ブロイラーのもとで研究をつづけ、現在チューリッヒ大学の教授である。
本書は「性的倒錯」につづく二番目の著書であり、同じく邦訳された「心身医学入門」や「精神分析と現存在分析論」より早い時期の著作である。「性的倒錯」と、この「夢」は、ともにケース・スタディが豊富であり、後期のものに比較して具体的で、より理解しやすいように思われる。とくに第三部においては著者自身が集めた一万余の夢を素材として、著者の「夢解釈」が展開される。フロイト以来、精神分析は夢研究を深層心理にいたる王道と考えてきた。著者は夢解釈の実際を通じて現存在分析という人間理解の手法を世に問おうとするのである。


「夢」の著訳者:

メダルト・ボス
Medard Boss
1903年スイスに生れる。チューリッヒ大学卒業後、パリおよびウィーンの大学に学び、ロンドン、ベルリンでも研究を行なっている、心理療法ではフロイト、ユングから直接強い影響をうけた。1930年頃からチューリッヒのブロイラーのもとで研究し1939年同大学講師、心理療法訓練部長を経て1952年より教授となる。著書『性的倒錯』1947、『心身医学入門』1956、『精神分析と現存在分析論』1957、『東洋の英知と西欧の心理療法』1959(以上邦訳みすず書房)、『医学概論』1971。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
三好郁男
みよし・いくお
1930年に生れる。1955年京都大学医学部卒業。元神戸大学医学部講師(精神医学)。1971年歿。訳書 メダルト・ボス『精神分析と現存在分析論』(共訳、みすず書房、1962)『心身医学入門』(みすず書房、1966)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
笠原嘉
かさはら・よみし
1928年神戸に生れる。京都大学医学部卒業。精神医学専攻。名古屋大学名誉教授。著書『精神科医のノート』(みすず書房、1976)『青年期』(中公新書、1977)『ユキの日記』(みすず書房、1978)『不安の病理』(岩波新書、1981)『精神病と神経症』(みすず書房、1984)『アパシー・シンドローム』(岩波書店、1984)『退却神経症』(講談社現代新書、1988)『外来精神医学から』(みすず書房、1991)編著『青年の精神病理』(弘文堂、1976)『精神の科学』(岩波講座、1983)『異常心理学講座』(みすず書房、1987)。訳書 ボス『精神分析と現存在分析論』(1962)ハナ・グリーン『デポラの世界』(1971)『手のことば』(1974)レイン『ひき裂かれた自己』(1971)『狂気と家族』(1972)サルズマン『強迫パーソナリティ』(1985)サールズ『ノンヒューマン環境論』(1988)(共訳、以上みすず書房)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
藤繩昭
ふじなわ・あきら
1928年に生れる。京都大学医学部卒業。精神医学専攻。京都大学名誉教授、国立精神・神経センター精神保健研究所名誉所長。著書『臨床精神病理研究』(弘文堂、1982)。編著『分裂病の精神病理10』(東京大学出版会、1981)。訳書 ヤッフェ編『ユング自伝』(共訳、みすず書房、1972)ラプランシュ/ポンタリス『精神分析用語辞典』(共訳、みすず書房、1977)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次


序論
第一部 現代の夢の理論
1 フロイトの夢の理論
2 フロイトの夢理論の基礎への批判
3 「チューリッヒ学派」の夢理論
4 「チューリッヒ学派」の夢理論の基盤に対する批判
5 「新・分析的な」夢の理論
6 最新の非分析的夢理論
7 これまでの現象学的夢解釈の試み
第二部 夢そのもの
1 「奇妙な皿の夢」
2 「奇妙な皿の夢」の現象学的解釈の試み
3 夢の内容と夢の象徴理論
4 現象学的解明による「主体的・客体的両水準」の夢解釈の克服
5 元型の概念と人間的現象の具体的全体性
6 現象学的な夢解釈の実際的応用
7 要約
第三部 夢みる人間の現存在可能性
1 外傷夢の中での驚愕
2 夢の中での意志的決断的な態度
3 夢の中での反省的態度
4 夢の中で表象したヴィジョンをもったりすること
5 夢の中で意識的に思慮をめぐらすこと
6 夢の中でも嘘をつくことができるということ
7 夢の中での無意識的な失錯行為
8 夢の中での世界との芸術家的なかかわり方
9 夢の中での倫理的判断
10 夢の中での神性とのかかわり
11 夢の中で夢を見る可能性
12 夢の中の夢についてひとは夢の中で分析することもできるということ
13 魔法の夢の世界
14 夢の中で「物として存在する」こと
15 夢における「超感覚的な」かかわりの可能性
16 夢における「無意味な」空間・時間関係
17 「逆説的な荷物か」の夢
第四部 全体としての夢みることの本質への問い
訳者あとがき
人名索引

この本の関連書


「夢」の画像:

夢

「夢」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/312頁
定価 7,035円(本体6,700円)
ISBN 4-622-02221-4 C1047
1970年11月30日発行

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