みすず書房

幼児期と社会 2

CHILDHOOD AND SOCIETY (REVISED EDITION)

判型 四六判
頁数 256頁
定価 3,300円 (本体:3,000円)
ISBN 978-4-622-02282-4
Cコード C1037
発行日 1980年3月31日
備考 現在品切
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幼児期と社会 2

「幼児期と社会」はエリクソンの心理社会的発達理論の原点をしめす、生き生きと魅力的な著作である。幼児期から老年にいたる人間の生命過程を、歴史、文化、社会とのかかわりあいのなかで的確に捉え、また青年期の同一性の問題点を浮彫りにする。さらに、幼児期のとり扱いに対する無意識的迷信を解き放ち、若者の同一性の感覚を否定するような政治的・経済的偏見をとり除くために「幼児期」を重視することを、エリクソンは力説する。

「大と小」の両極性は、男性と女性、支配者と被支配者、白い皮膚と黒い皮膚などのような、存在に関する対立物の目録のなかで筆頭におかれる項目である。これらの対立のすべてをめぐって、その解放闘争が今や政治的にも心理学的にも盛んであるが、これらの闘争の目的はパートナーのそれぞれの分業的機能を認め合うことである。パートナーたちは、本質的に似通っているために対等であるのではなく、まさにその独自性のゆえに、彼らの共通の機能にとって、互いに不可欠であることからこそ、対等なのである。全2巻。

目次

第四部 青年期と同一性の発展
序論
第8章 アメリカの同一性についての省察
1 両極性
2 「かあさん」“MOM”
3 ジョン・ヘンリー
4 青年とボスと機械
第9章 ヒトラーの児童期の伝説
1 ドイツ
2 父親
3 母親
4 青年
5 生存圏、軍人、ユダヤ人
6 ユダヤ民族に関する覚え書き
第10章 マキシム・ゴーリキーの青年時代の伝説
1 土地とロシア農村共同体
2 母親たち
3 老いた暴君と呪われた種族
4 搾取される人々:A 聖者と乞食/B よそ者/C 父親のない子どもたちと足萎えの子/D コシンカにくるまれた赤ん坊
5 プロテスタント
第11章 結論 不安を越えて

解説/索引