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量子論

QUANTUM THEORY


量子論は、古典論が解決の糸口さえ見出せなかった広範囲にわたる実験結果を正確に説明しようとする物理学者のたゆまぬ努力の所産である。そして、量子論は単にその科学的知識としての内容においてばかりではなく、知識を表現するための概念の組み立てにおいても革命的な変化をもたらしたのである。しかし、この事実は必ずしも一般に認識しているとはいえない。古典論で扱う比較的図示しやすく描像を描きやすい内容と、量子論特有の抽象的・数学的形式とがあまりにもかけはなれたものであるために、物質の量子論的性質についての日常の具象的な意味での理解は放棄されがちである。しかし、量子論の物理的解釈をいっそう押し進めることによって量子論の結果を定性的・具象的概念によって表現することも可能である。本書は、量子論の物理的描像を定式化したものとして画期的な名著である。


「量子論」の著訳者:

デヴィッド・ボーム
David Bohm
1917年アメリカ、ペンシルヴァニア州に生れる。1939年ペンシルヴァニア州立カレッジにてB.S.を、1943年カリフォルニア大学(バークレー)にてPh.D.を取得。ブラジル、イスラエルなどで教鞭をとったのちロンドン大学バークベックカレッジ教授。1992年歿。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
高林武彦
たかばやし・たけひこ
1919年兵庫県に生れる。1941年東京大学理学部物理学科卒業。名古屋大学理学部助教授、フランスCNRS研究員を経て、1959-83年名古屋大学理学部教授。現在 名古屋大学名誉教授。理学博士。専攻 理論物理学、物理学史。著書『熱学史』(1948、日本科学社)、『量子論の発達史』(1977、中央公論社)。『素粒子論の開拓』(1987、みすず書房)、『現代物理学の創始者』(1988、みすず書房)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
井上健
いのうえ・たけし
1921年大坂に生まれる。1941年京都大学理学部物理学科卒業。理学博士。京都大学名誉教授。2004年歿。訳書 フォン・ノイマン『量子力学の数学的基礎』(共訳、みすず書房、1957)、ボーム『量子論』(共訳、みすず書房、1964)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
河辺六男
かわべ・ろくお
1948年名古屋大学物理学科卒業。元大阪医科大学教授。専攻 素粒子論。2000年歿。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
後藤邦夫
ごとう・くにお
1955年名古屋大学物理学科卒業。桃山学院大学名誉教授。専攻 理論物理、物理学史、科学技術社会論。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

第I部 量子論の物質的定式化
1.量子論の起原
2.初期量子論の展開
3.波束とde-Broglie波
4.確率の定義
5.不確定性原理
6.物質の素粒子性と波動性の対立
7.導入された量子的な諸概念の総括
8.物質の量子的本性の物質的描像を組立てる試み
第II部 量子論の数学的定式化
9.波動函数、演算子、Schrodinger方程式
10.ゆらぎ、相関、固有函数
第III部 簡単な体系への応用.量子論の定式化の一層の拡張
11.箱型ポテンシャルに対する波動方程式の解
12.量子論の古典的極限WKB近似
13.調和振動子
14.角運動量と3次元の波動方程式
15.動径方程式の解、水素原子、磁場の効果
16.量子論のマトリックスによる定式化
17.スピンと角運量
第IV部 Schrodinge方程式の近似的解法
18.摂動論、時間に関係する摂動と時間に関係しない摂動
19.縮退のある場合の摂動論
20.瞬間的摂動と断熱的摂動
第V部 散乱の理論
21.散乱の理論
第VI部 観測過程の量子論
22.観測過程の量子論
23.量子的概念と古典的概念との関係
あとがき
索引

この本の関連書


「量子論」の画像:

量子論

「量子論」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/752頁
定価 7,980円(本体7,600円)
ISBN 4-622-02502-7 C3042
1964年5月1日発行

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