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全-世界論

TRAITE DU TOUT-MONDE


「私の命題は、今日、全世界が列島化し、クレオール化しているということだ」(エドゥアール・グリッサン)

クレオールあるいはクレオール化は現代世界のキーワードである。本書は、まさしくその最重要人物である作家・思想家エドゥアール・グリッサンによる「クレオール宣言」ともいうべき書である。その構成、書かれている内容と詩的かつ自由な文体、本の作り全体も、クレオール性を表現している。

「世界の叫び」からマンデラ礼賛、1993年にストラスブールで開かれ、デリダやソンタグらも参加した「国際作家議会」での報告まで、数々の文章群は、今後の世界の指針への問題提起であり、多層にわたるその文体は、日本の読者に驚きと衝撃をもって迎えられるだろう。


「全-世界論」の著訳者:

エドゥアール・グリッサン
Edouard Glissant
1928年マルチニック生まれ。父親は砂糖プランテーションの会計官・監督官であったが、家は貧しかった。学業優秀で、島の名門シェルシェール高等中学校を卒業して、パリ大学に留学。哲学を専攻するが、学士号を取得した後、作家として立つ道を選んだ。ネグリチュード運動を興したエメ・セゼールの次の世代を狙う立場から、カリブ海人――主としてアフリカから連れてこられた黒人奴隷の子孫たちを念頭に置いている――はすべからくカリブ海にきちんと根を下ろすことから始めなければならないと説いて、西欧崇拝やアフリカ回帰に立脚したアイデンティティーの形成を批判した。作家・思想家としてのグリッサンは、シャモワゾーやコンフィアンといった若い作家たちに甚大な影響を及ぼしている。詩集に『インド』(1956)『黒い塩』(1960)、小説に『レザルド川』(1958)『第四世紀』(1964)、評論に『アンティル論』(1981)『関係性の詩学』(1990、邦訳『〈関係〉の詩学』インスクリプト刊)などがある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
恒川邦夫
つねかわ・くにお
1943年東京生まれ。東京大学博士課程中退、パリ第三大学文学博士。現在一橋大学大学院言語社会研究科教授。専攻はフランス文学(ポール・ヴァレリー研究)、黒人アフリカ文学、カリブ文学。著書に『ポール・ヴァレリー「アガート」訳・注解・論考』(筑摩書房、1995、恒川編、共著)『フランケチエンヌ――クレオールの挑戦』(現代企画室、1999)、訳書にポール・ヴァレリー『純粋およびアナーキー原理』(筑摩書房、1986)、J・ロビンソン『科学者たちのポール・ヴァレリー』(紀伊国屋書店、1996、共訳、日本翻訳出版文化賞)、J・ベルナベ、P・シャモワゾー、R・コンフィアン『クレオール礼賛』(平凡社、1997)などがある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

世界の叫び
マチュー・ベリューズの(全‐世界論)
第一の書
第二の書
第三の書
波浪と怒濤
波浪
マチューという名前
怒濤
他者の時間
西欧の《普遍的》時間の始めに
世紀末のレトリック
口誦性のレトリック、あるいは否
書く
我々にあったもの、我々にあるもの
皺つけと皺のばし
掘割の身体について
マンデラの時代
世界の本
今日の読解と書法
句読点
ジャック・ベルクと複数文学
アフリカの形質
大地と領土
ロッシュ
マチュー・ベリューズの論といわれる本論に対する反論と回答
反論
回答
節度と超節度
時間の不定詞
マルチニック
全体性
ピエールとカルタゴへ献げるオード
情報
都市、世界の声たちの避難所

用語解説
訳者あとがき

この本の関連書


「全-世界論」の画像:

全-世界論

「全-世界論」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/264頁
定価 3,675円(本体3,500円)
ISBN 4-622-03088-8 C1010
2000年5月12日発行

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