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官能教育 1

EDUCATION OF THE SENSES 1


本書は、19世紀初頭から第一次大戦勃発まで―1837年のヴィクトリア女王戴冠の少し前から、研究対象たりうるタイプの文化が根こそぎにされてしまう1914年頃までの、性愛に対する態度の変化に着目した19世紀ブルジョワ文化研究である。

優美なふくらみをもつピアノの脚にズボンをはかせた〈ヴィクトリア朝人〉の、慎み深さと道徳的な生真面目さは、歴史家たちの嘲笑を誘う。しかし、この時代の人々こそ、かつてない劇的な技術革新や、政治的・社会的な激しい変化を経験したのだ。

「この時期に、婚約期間のすごし方や、教育の理想、自慰や体罰に関する考え方、絵画における女性の表現法、建築の趣味など、さまざまな文化的現象が、だれにも気づかれず、目立たぬ形で変化したのである。西欧文化は、根本的・不可逆的で、しばしばトラウマ的な変動を経験したのだ」。

本巻では、まず、研究全体の方向とフロイトに依拠する研究方法が明らかにされる。そして、あるアメリカ人女性の遺した克明な性愛の記録を読み解き、19世紀ブルジョワのセックスの実態を問い、生命の危険がある出産の回避=避妊、夫の奴隷ではない人権の獲得=参政権といった女性の権利意識の伸張と展開などが考察される。(全2巻)


「官能教育 1」の著訳者:

ピーター・ゲイ
Peter Gay
1922年ベルリンでユダヤ人の家庭に生まれる。1939年に両親とともにキューバ行きの最後の船に乗り、ヒトラーの第三帝国から逃れる。1941年にアメリカへ渡り、1946年に市民権を得る。同年にデンヴァー大学を卒業した後、コロンビア大学大学院で1947年に修士号、1951年に博士号を取得する。1947年から同大学で政治学、歴史学を教え、1969年にイエイル大学のヨーロッパ比較思想史の教授となり、現在、同大学で最も権威のあるスターリング・プロフェッサーの地位にある。数多くの著作のうち、邦訳されたものに『ベルンシュタイン』(木鐸社、1980)、『ワイマール文化』(みすず書房、1999)、『自由の科学I、II』(ミネルヴァ書房、1982-86)、『歴史の文体』(同、1977)、『芸術を生みだすもの』(同、1980)、『ドイツの中のユダヤ』(思索社、1987)、『歴史学と精神分析』(岩波書店、1995)、『神なきユダヤ人』(みすず書房、1992)、『フロイトI』(同、1997、II 近刊)、『フロイトを読む』(法政大学出版局、1995)がある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
篠崎実
しのざき・みのる
1959年藤沢市生まれ。東京大学大学院修士課程修了(英文学専攻)。現在、東京工業大学外国語センター助教授。共訳書M.コーベット、R.W.ライトバウン『寓意の扉――マニエリスム装飾表題頁の図像学』(平凡社、1991)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「官能教育 1」の画像:

官能教育 1

「官能教育 1」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/352頁
定価 5,880円(本体5,600円)
ISBN 4-622-03201-5 C3010
1999年5月20日発行

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