「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



官能教育 2

EDUCATION OF THE SENSES 2


本書のタイトルは、ある若者の成長過程を描く、フローベールの『感情教育』に想を得ている。小説の主人公は、世に出てさまざまな種類の、しばしば矛盾する教育を受けるが、19世紀の中産階級についても、同じようなことが言える。「彼らの官能の形成にとって、社会という公的領域は大きな影響力をもつものであった。それは、官能に糧を与え、あるいは障碍となる。つまり、社会は官能を教育するのである」。
〈性〉などというやっかいな問題に出会ったら、まず抑圧するのが19世紀ブルジョワの分別ある態度だった。その極端な現われに、堅いペニスカバーを装着させ、陰核切除すら実行してしまうマスターベイション根絶運動がある。
難題を知識の力で乗り切ろうとする考え方も出てくる。啓蒙的パンフレット、ポルノグラフィー、男女の裸体像などは、容易に読み、眺められた――いずれも現実の経験に際しては、役に立たなかったが。
さらに、物質生活の向上を背景に、プライヴァシーという、新たな概念が発明されたが、その砦=家庭は、まさにフロイトが扱う症例の生じる場でもあった。
つまるところ、ブルジョワの性愛は不毛だったのか?
厖大な史料を駆使して19世紀中産階級文化における個人の位置を問う、数冊の分厚い書物に結実する研究の端緒が、いま、ここに開かれる。


「官能教育 2」の著訳者:

ピーター・ゲイ
Peter Gay
1922年ベルリンでユダヤ人の家庭に生まれる。1939年に両親とともにキューバ行きの最後の船に乗り、ヒトラーの第三帝国から逃れる。1941年にアメリカへ渡り、1946年に市民権を得る。同年にデンヴァー大学を卒業した後、コロンビア大学大学院で1947年に修士号、1951年に博士号を取得する。1947年から同大学で政治学、歴史学を教え、1969年にイエイル大学のヨーロッパ比較思想史の教授となり、現在、同大学で最も権威のあるスターリング・プロフェッサーの地位にある。数多くの著作のうち、邦訳されたものに『ベルンシュタイン』(木鐸社、1980)、『ワイマール文化』(みすず書房、1999)、『自由の科学I、II』(ミネルヴァ書房、1982-86)、『歴史の文体』(同、1977)、『芸術を生みだすもの』(同、1980)、『ドイツの中のユダヤ』(思索社、1987)、『歴史学と精神分析』(岩波書店、1995)、『神なきユダヤ人』(みすず書房、1992)、『フロイトI』(同、1997、II 近刊)、『フロイトを読む』(法政大学出版局、1995)がある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
篠崎実
しのざき・みのる
1959年藤沢市生まれ。東京大学大学院修士課程修了(英文学専攻)。現在、東京工業大学外国語センター助教授。共訳書M.コーベット、R.W.ライトバウン『寓意の扉――マニエリスム装飾表題頁の図像学』(平凡社、1991)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「官能教育 2」の画像:

官能教育 2

「官能教育 2」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/328頁
定価 5,880円(本体5,600円)
ISBN 4-622-03202-3 C3010
1999年6月24日発行

この本を購入する