みすず書房

1995年1月17日の阪神大震災当日からほぼ一年間、現地を中心に取材を続けてきた著者は、この大地震をめぐる問題点を全面的に洗い出し、総括しようと決意した。
日本の地震学の成り立ちから関東大震災の教訓、政府、自治体、警察、消防、建築、メディアのあり方、さらにボランティア問題、被災者への補償とそれにまつわる課題、心のケアの現状…歴史的なパースベクティヴと谷崎潤一郎、宮武外骨、賀川豊彦、数々の震災記録などの関連資料、それにリアルタイムの取材を織り交ぜながら、立体的にまとめあげた野心作である。
気鋭のジャーナリストが情熱と責任感で書き上げたこの衝撃のドキュメントは、阪神大震災をみつめながら、この国の過去と現在と未来を考えるための包括的なビジョンを提示し、かつ具体的な提言にもなっている。全2巻

目次

序章 方法について
第1章 予知の思想
第2章 災害像が形成されるまで
第3章 もう一人、救えなかったか
第4章 崩れた神話
第5章 都市の履歴