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人権について

オックスフォード・アムネスティ・レクチャーズ

ON HUMAN RIGHTS

THE OXFORD AMNESTY LECTURES 1993


ボスニアでの衝撃的な出来事が連日報じられるなか、オックスフォード大学で公開の連続講座が催された。招聘された7名の講師は、いずれも世界的な哲学者である。
国際人権法は、眼前の事態に対してあまりにも無力にみえる。そもそも〈人権〉という思想には、こうした事実に対抗しうる何かがあるのだろうか。それは、近代西欧世界の想像力の産物にすぎないのではないか。社会の大部分の人々をはじめから排除して成立した〈人権〉概念が、果たして普遍性をもちうるのか。西欧リベラリズムの政治的伝統を離れて、それを異なる文化に適用することがなぜ可能といえるのか。
こうした難問に対する答えを、哲学の立場から多彩な切り口で追求したのが本書である。正義の理念を拡張する手続きを通じて注目すべき理論を展開するロールズ、人権の「基礎づけ主義」を真っ向から否定するローティ、フェミニズムの視点から新たな平等概念の確立を訴えるマッキノンなど、刺激的な議論が次々に現れる。
全体主義の重い経験とその瓦解後なおも続く模索は、人権理論に大きな課題を負わせている。西欧世界のうちそとを問わず続けられる思索と実践のために、素通りすることを許さない里程標として、本書は意味をもつことであろう。


目次


オックスフォード・アムネスティ・レクチャーズへの序
序文……スティーヴン・シュート/スーザン・ハーリー

人権をめぐる五つの寓話……スティーヴン・ルークス
万民の法……ジョン・ロールズ
戦時の犯罪、平時の犯罪……キャサリン・マッキノン
人権、理性、感情……リチャード・ローティ
他者の権利……ジャン=フランソワ・リオタール
自然法の限界と邪悪のパラドックス……アグネス・ヘラー
多数決原理と個人の権利……ヤン・エルスター

原註
訳註
訳者あとがき
索引


著訳者略歴

スティーヴン・ルークス
Steven Lukes
ジョン・ロールズ
John Rawls
キャサリン・マッキノン
Catharine A. MacKinnon
リチャード・ローティ
Richard Rorty
ジャン=フランソワ・リオタール
Jean-Francois Lyotard
アグネス・ヘラー
Agnes Heller
ヤン・エルスター
Jon Elster
スティーヴン・シュート
Stephen Shute

オックスフォード大学コーパス・クリスティ・カレッジの法学フェロー兼チューターを経て、現在バーミンガム大学法学部主任講師。著書Action And Value in Criminal Law(Oxford U.P.,1994、共編)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
スーザン・ハーリー
Susan Hurley

オックスフォード大学エドマンド・ホールの哲学フェロー兼チューターを経て、現在ウォーウィック大学哲学教授、著書Natural Reasons(Oxford U.P.,1989);Consciousness in Action(Harvard U.P.,1998)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
中島吉弘
なかじま・よしひろ

1954年東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科博士課程後期満期退学。現在、中央大学・桜美林大学講師。社会思想史、社会哲学・社会倫理学専攻。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
松田まゆみ
まつだ・まゆみ

1937年東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業、コロンビア大学大学院教育学修士課程修了。現在、桜美林大学国際学部教授。応用言語学専攻。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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人権について

「人権について」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/328頁
定価 3,456円(本体3,200円)
ISBN 4-622-03667-3 C1031
1998年11月19日発行

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