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昨日のごとく

災厄の年の記録

著者
中井久夫

阪神大震災から一年がたった。一九九五年一月一七日から一、二ヵ月のあいだは、被災地のみならず全国に共同体感情のようなものが生まれ、誰もが被災地に眼をそそいでいた。だが、あれから避難所で生活をしていた人たちは、ボランティアはどうなったのだろう。
被災民への補償は、今後の地震対策は、町の復興は? こころに傷を負った人たちへのアプローチは、進んでいるのだろうか。
昨春に刊行した震災後一ヶ月のルポルタージュ、『1995年1月・神戸――「阪神大震災」下の精神科医たち』以後の神戸の街の様子や人びとの生活の変化、内面の移り行きなどを、前著の編者であり、「災害がほんとうに襲ったとき」を書いた中井久夫の文章を中心にたどる。昨年三月から現在まで、節目ごとに著者の眼に映った推移を描いた九つの文章に、建築家、ボランティア精神科医、アメリカの人類学者、中国人被災留学生、倫理学者など八名の文を挿み、立体的・複眼的なつくりにした。詳細な日程表も付す。


「昨日のごとく」の著訳者:

中井久夫
なかい・ひさお
1934年奈良県に生れる。京都大学医学部卒業。現在神戸大学医学部精神神経科教授。
著書『分裂病と人類』(東京大学出版会、1982)『精神科治療の覚書』(日本評論社、1982)『中井久夫著作集――精神医学の経験』第I期・全3巻別巻1(1984-85)第II期・全3巻別巻1(岩崎学術出版社、1991-92)『記憶の肖像』(1992)『家族の深淵』(みすず書房、1995)ほか。編著『1995年1月。神戸』(みすず書房、1995)。訳書 サリヴァン『現代精神医学の概念』(1976)『精神医学の臨床研究』(1983)『精神医学的面接』(1986)『精神医学は対人関係論である』(1990)『分裂病は人間的過程である』(1995)ペリー『サリヴアンの生涯』l(1985)、2(1988)(以上共訳、みすず書房)エレンベルガー『無意識の発見』上・下(共訳、弘文堂、1980-81)。編訳書 カヴァフィス、リッツオス、エリティス、セフェリス、シケリアノス『現代ギリシャ詩選』(1985)『カヴァフィス全詩集』(1988、1991)『リッツォス詩集』(1991)ヴァレリー『若きパルク/魅惑』(1995)(以上みすず書房)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
精神科医の見た二都市――2~3月――
神戸を歩いて東京を考える 六反田千恵
被災地内部から――5月――
被災者と病者――ボランティア活動に参加して 村田 浩
震災後150日――6月――
避難生活の中から、災後症候群を見つけた 郭 慶華
災害下の精神科救急はいかに行われたか――6月――
震災と倫理学に関するノート 川本隆史
半年がすぎて――7月――
人類学者から見た阪神大震災への精神医学的応答 ジョシュア・ブレスラウ
阪神・淡路大震災後8ヶ月目に入る――9月――
兵庫県南部地震時の高齢者のケア――医療・保健・福祉への視線 小川 恵
1995年10月・神戸
災害メンタルヘルス――ロサンゼルス見聞記 麻生克郎
さいはての仮設住宅にて――12月――
都市、明日の姿 磯崎 新+中井久夫
1996年1月・神戸
日程表より
[資料]兵庫県精神保健協会こころのケアセンター・調査研究に関するガイドライン
阪神大震災1年の動き
あとがき

この本の関連書


「昨日のごとく」の画像:

昨日のごとく

「昨日のごとく」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/336頁
定価 2,100円(本体2,000円)
ISBN 4-622-03799-8 C0036
1996年4月18日発行

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