みすず書房

蒋介石書簡集 下

1912-1949

蒋介石書信集

判型 A5判
頁数 612頁
定価 22,000円 (本体:20,000円)
ISBN 978-4-622-03844-3
Cコード C3022
発行日 2001年2月23日
備考 在庫僅少
オンラインで購入
蒋介石書簡集 下

孫文、毛沢東とならんで現代中国を揺り動かした人、蒋介石の歴史的役割にいま再評価の光が当てられようとしている。彼と中国現代史上の人々の間に交わされた1700通余の書簡は民国史研究への道を開く第一級資料が全巻完結した。

この下巻には、1935年から1949年までの書簡が収められている。抗日戦争から国共内戦へ。この間に往復された書簡は、西安事変、重慶談判と激動する20世紀アジアの歴史的瞬間を証言する貴重な記録である。

書簡の筆者としては、汪精衛、張学良、閻錫山、馮玉祥、李宋仁、白崇禧、何応欽、それに毛沢東、周恩来ら友から敵までの名がならび、彼らのその後の運命、蒋介石との関係を考え合わせて読むと、現代史の過程を照らし出す資料として実に興味深い。また日中戦争における中国側の対応を示す資料は、日本現代史を探究する者にも、新たな視点を提供するものとして、見逃せないだろう。

種々の事情から、中国側ではいまだ公刊されていないこの書簡集が、日本で公刊されたことは日中関係史上の事件であり、その意義ははかりしれない。東アジアの現在と将来を考えるにも、中華民国期の研究にももはや欠かせない。登場する人物・事件について付された詳細な注、索引、80頁に及ぶ年表、主要人物の名・字対照表を合わせると、実質的な『中華民国史事典』といえよう。