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精神病

LA PSYCHOSE


アルフォンソ・ドゥ・ヴァーレンにかかると、フッサールのこともハイデガーのことも、すべてお見通しである。――エマニュエル・レヴィナス

卓抜なメルロ=ポンティ論「両義性の哲学」で知られるドゥ・ヴァーレンは、精神病、とりわけ分裂病を通してみられる無意識の次元と、そこでの言語活動を考察することから、世界―内―存在としての人間の条件を構成する諸構造に迫ろうとしていた。それは、ラカン派の精神分析と現象学や哲学的人間学を架橋する試みでもあった。本書はその最たる成果である。

フロイトのシュレーバー症例やナルシシズム論、ラカンの父の隠喩の挫折などをとりあげながら、著者は主体の起源と生成、ランガージュとバロール、その現実との関係、エディプス状況の意味、分裂病の諸症状、身体性の問題などを厳密に論じあげる。それは、ややもするとアクロバティックなものになりがちなラカン派の分析的視点に立脚した精神病論に、一つの堅固な基盤を提供するものといえよう。哲学者の立場から精神病を解明しようとした、貴重な一冊である。


「精神病」の著訳者:

アルフォンス・ドゥ・ヴァーレン
Alphonse de Waelhens
1911年ベルギーのアンヴェールに生まれる。ベルギーのルーヴァン大学とパリ大学に学ぷ。ルーヴァン大学およぴブルッセルのサン・ルイ大学で哲学的人間学と現象学を担当、精神分析ベルギー学派の教育セミナーにも与っている。メルロ=ポンティ、ハイデガー、フッサールを論じた多くの論考がある。著書は本書のほかLa Philosophie de Martin Heidegger,Une Philosophie de l’ambigute――L’existentialisme de Merleau―Ponty,Existence et Signification,La Philosophie et les experiences naturellesなどがある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
塚本嘉壽
つかもと・よしひさ
1943年東京に生れる。一橋大学卒業。京都大学教育学部博士課程中退。臨床心理学専攻。現在埼玉大学教養部教授。著書『漱石、もう一つの宇宙』(新曜杜、1994)『タンタロス・コンプレックス』(行路社、1994)。訳書 レイン『経験の政治学』(1973)『生の事実』(1979)クーパー『家族の死』(1978)(共訳、以上みすず書房)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
橋本由美子
はしもと・ゆみこ
1956年鳥取県に生れる。同志社大学文学部卒業。中央大学大学院哲学専攻博士課程単位取得退学。現在中央大学文学部兼任講師。訳書 M.モラン「形而上学的想像力」(『無限と超越』所収、平凡社、1988)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「精神病」の画像:

精神病

「精神病」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/328頁
定価 4,200円(本体4,000円)
ISBN 4-622-03951-6 C3047
1994年12月13日発行

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