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量子力学と経路積分

QUANTUM MECHANICS AND PATH INTEGRALS


ファインマン経路積分は、古典力学的経路(軌道)の概念によって量子力学の定式化をめざすもので、取り扱いが困難な量子力学的諸問題に対して大きな寄与をしてきた。実際、衝突問題や変分法などにおいて威力を発揮している。

本書は、経路積分の生みの親というべきファインマン自身がカリフォルニア工科大学で行なった講義をまとめた教科書である。
「経路積分の方法は量子力学的振舞いに対する直観的描像を与えるものであり、これは量子力学法則の直観的把握のために大変に重要である。それゆえに、量子力学の中で経路積分の方法が特に有効となる分野において、物理学の研究者は量子力学の基本原理をよく把握することができ、それによって、理論物理学の広い分野の問題の解決に力を発揮できることになる」(序文)。

本書では、量子力学の法則が経路積分の方法によって記述され、その法則が多くの事象に適用されている。量子力学の基本概念から、シュレーデインガー方程式の表示とのつながり、具体的な事例として摂動論や、遷移、変分原理、量子電気力学の分野までが扱われる。

観測の問題など量子力学の基本的な問題が実際の実験上重要となってきている今日、本書は、理論物理学専攻の学生・研究者のみならず、実験物理学、化学専攻の学生にとっても必読の書である。


「量子力学と経路積分」の著訳者:

リチャード・P・ファインマン
R. P. Feynman
ニューヨーク市に生まれる。1939年マサチューセッツ工科大学卒業。プリンストン大学大学院に学び、1942年ホィーラー教授の下で博士号を取得。その後、原爆開発のマンハッタン計画に参加。1945-50年コーネル大学助教授。1950年以後はカリフォルニア工科大学教授。1965年、量子電磁力学の構成の業績で、シュヴィンガー、朝永振一郎と共にノーベル物理学賞を受賞。『物理法則はいかにして発見されたか』(ダイヤモンド社)『光と物質のふしぎな理論――私の量子電磁力学』『ご冗談でしょう、ファインマンさん――ノーベル賞物理学者の自伝』(いずれも岩波書店)など一般向けの著作や、学部学生向けの教科書『ファインマン物理学』(岩波書店)で多くの読者に親しまれている。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
アルバート・R・ヒッブス
Albert R. Hibbs
ファインマンの講義をまとめて本書『量子力学と経路積分』を出版した。また、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』に序文を寄せ、学生時代に接したファインマン教授の人柄を描いている。現在カリフォルニア工科大学ジェット推進研究所所員。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
北原和夫
きたはら・かずお
1946年新潟県長岡市に生まれる。1969年東京大学理学部物理学科卒業。1974年東京大学理学系大学院中退。1971-74年ブリュッセル大学物理化学科に留学。マサチューセッツ工科大学研究員、東京大学助手、静岡大学助教授、東京工業大学教授を経て、現在国際基督教大学教授、東京工業大学名誉教授。著書 Fluctuation Phenomena(共著、North Holland)『プリゴジンの考えてきたこと』(岩波書店)。訳書 クライツィグ『技術者のための高等数学1・常微分方程式』(培風館)ニコリス/プリゴジン『複雑性の探究』(共訳、みすず書房)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

序文
1 量子力学の基本概念
2 量子力学の運動法則
3 特別な例によって概念を展開する
4 量子力学のSchrodinger表示
5 観測と演算子
6 量子力学による摂動論r
7 遷移要素
8 調和振動子
9 量子電気力学
10 統計力学
11 変分法
12 確率論における諸問題
付録

この本の関連書


「量子力学と経路積分」の画像:

量子力学と経路積分

「量子力学と経路積分」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/360頁
定価 5,460円(本体5,200円)
ISBN 4-622-04100-6 C1042
1995年5月10日発行

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