みすず書房

不完全性・非局所性・実在主義

量子力学の哲学序説

INCOMPLETENESS, NONLOCALITY, AND REALISM

判型 A5判
頁数 232頁
定価 5,280円 (本体:4,800円)
ISBN 978-4-622-04101-6
Cコード C1042
発行日 1997年12月16日
備考 現在品切
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不完全性・非局所性・実在主義

いわゆるベルの不等式に対する実験がほぼ否定的な決着を見たのは1980年代前半のことだが、この結末が量子力学の哲学的問題に対する関心を呼び覚まし、物理学者、数学者、哲学者らによって、著作、論文集、雑誌論文の形で夥しい文献が世に出ることになった。その中にあって、1987年に原著が出版された本書は、入門の段階から専門的議論までを含んだきわめて優れた書物であり、1988年には、科学哲学への顕著な貢献に対して贈られるラカトシュ賞を受賞した。
扱われているのは、量子力学の哲学の分野で過去20年間に成し遂げられたさまざまな研究成果であるが、著者がとりわけ焦点を当てているのは、「量子力学は不完全な理論であるか」、「量子力学は非局所的であるか」、そして「量子力学は実存的に解釈できるであろうか」という三つの大きな問題である。
「現代物理学が抱えている存在と認識に関する深刻な問題をめぐり、本書が哲学系の人々にも物理系の人々にも、さらには人間が行う認識と認識される世界との関係について関心を持つ人々にも読まれることを希望する。」(訳者)