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不完全性・非局所性・実在主義

量子力学の哲学序説

INCOMPLETENESS, NONLOCALITY, AND REALISM


いわゆるベルの不等式に対する実験がほぼ否定的な決着を見たのは1980年代前半のことだが、この結末が量子力学の哲学的問題に対する関心を呼び覚まし、物理学者、数学者、哲学者らによって、著作、論文集、雑誌論文の形で夥しい文献が世に出ることになった。その中にあって、1987年に原著が出版された本書は、入門の段階から専門的議論までを含んだきわめて優れた書物であり、1988年には、科学哲学への顕著な貢献に対して贈られるラカトシュ賞を受賞した。
扱われているのは、量子力学の哲学の分野で過去20年間に成し遂げられたさまざまな研究成果であるが、著者がとりわけ焦点を当てているのは、「量子力学は不完全な理論であるか」、「量子力学は非局所的であるか」、そして「量子力学は実存的に解釈できるであろうか」という三つの大きな問題である。
「現代物理学が抱えている存在と認識に関する深刻な問題をめぐり、本書が哲学系の人々にも物理系の人々にも、さらには人間が行う認識と認識される世界との関係について関心を持つ人々にも読まれることを希望する。」(訳者)


「不完全性・非局所性・実在主義」の著訳者:

マイケル・レッドヘッド
Michael Redhead
1929年に生まれる。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ卒業(物理学)。20年近く家業に携わったのち、1968年に大学に戻り数理物理学でPh.D.を取得し、さらにロンドン大学チェルシー・カレッジ科学史科学哲学大学院課程で科学哲学を学ぶ。同カレッジ講師(科学哲学)、教授(物理学の哲学)、キングス・カレッジ教授(物理学の哲学)を経て、1987年よりケンブリッジ大学科学史科学哲学科の主任教授。その間、英国科学哲学会の会長も務めている。現代理論物理学、とくに量子力学と相対性理論の概念的方法論的問題に関心がある。1988年に科学哲学への顕著な貢献に対しておくられるLakatos賞を受賞した本書の他に、Physics for Pedestrians(Cambridge University Press、1989)From Physics to Metaphysics(Cambridge University Press、1995)の著書がある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
石垣壽郎
いしがき・としお
1941年に生まれる。東京大学教養学部(科学史科学哲学)卒業。東京大学人文科学研究科博士課程(哲学)中退。現在、北海道大学理学研究科教授。博士(理学)(科学基礎論)。量子力学の解釈問題、時空の存在論的問題に関心がある。訳書 ワルター・シュルツ『変貌した世界の哲学・I、科学化の動向』(共訳、二玄社、1978)、カール・ポパー『推測と反駁』(共訳、法政大学出版局、1980)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「不完全性・非局所性・実在主義」の画像:

不完全性・非局所性・実在主義

「不完全性・非局所性・実在主義」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/232頁
定価 5,040円(本体4,800円)
ISBN 4-622-04101-4 C1042
1997年12月16日発行

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