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シュルレアリスムという伝説

著者
飯島耕一

「シュルレアリスムについて、マルクス兄弟やバスター・キートンを語るようにして語れないものであろうか。瀧口修造も実によく笑う人であった。『滑稽なんですよ、実にふるってるんですよ』と言って、瀧口はク、ク、ク、ク、クと笑い続けて止むことがなかった」。「いよいよ20世紀も終わりの数年を目前にして、しかもコミュニスム、マルクス主義の雪崩を打つ退潮という予想もつかない状況の中で、思想も詩もかつてない空無化に曝されようとしている現在、シュルレアリスムという半ば伝説化して、若い世代にはとりわけ遠いものとなった思想、言語運動について、もう一度思い出してみることは意義のあることと信ずる。20世紀のあらゆる問題がここに衝突し、渦巻いているからだ。ネルヴァルとロートレアモン、サドとフーリエ、フロイトと精神分析、遠くかけ離れた二つのものの連結、そしてマルクス主義、二つの大戦とアメリカ……」。(著者)

はるかブルターニュにシュルレアリスムの淵源を辿り、その発展と衰亡の軌跡を検証しつつ、この特異な芸術=思想運動を広く20世紀思想史の只中に位置づける。バタイユ、レヴィ=ストロース、ラカン、瀧口修造、土方巽を視野に収めた、見晴らしのよい、刺激的なシュルレアリスム展望。


「シュルレアリスムという伝説」の著訳者:

飯島耕一
いいじま・こういち
1930年岡山に生まれる。1952年東京大学文学部仏文科卒業。國學院大学教授を経て、2000年3月まで明治大学教授。1953年詩集『他人の空』(ユリイカ)。1955年シュルレアリスム研究会をつくって数年間続いた。詩集に『ゴヤのファースト・ネームは』(高見順賞)、『夜を夢想する小太陽の独言』(現代詩人賞)、『さえずりきこう』、『浦伝い 詩型を旅する』『アメリカ』(読売文学賞・詩歌文学館賞)などがあり、評論集に『日本のシュールレアリスム』、『シュルレアリスムという伝説』、『現代詩が若かったころ』などがある。他に小説『暗殺百美人』(ドゥ・マゴ文学賞)、『小説・六波羅カプリチョス』、『小説平賀源内』『ヨコハマ ヨコスカ 幕末 パリ』、『白紵歌』がある。2000年から2001年にかけて著作集『飯島耕一・詩と散文』(全5巻、みすず書房)を刊行。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「シュルレアリスムという伝説」の画像:

シュルレアリスムという伝説

「シュルレアリスムという伝説」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/304頁
定価 3,150円(本体3,000円)
ISBN 4-622-04238-X C1070
1992年6月22日発行

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