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メイ・サートン・コレクション

独り居の日記

JOURNAL OF A SOLITUDE


シングルの女性として、成熟するほどにみずみずしい作品を発表したアメリカの詩人・小説家、メイ・サートン。83歳で亡くなるまで、その創作意欲は衰えを見せなかった。

さかのぼって1960年代の後半、はじめて自分の小説のなかで同性愛を表白したサートンは、大学の職を追われ、予定されていた本の出版も中止され、折しも愛の関係の降下と父親の死の直後で、失意の底にあった。やがて彼女は、世間の思惑を忘れ、ひたすら自分の内部を見つめることで新しい出発をしようと決意して、まったく未知の片田合で生活をはじめる。本書は、その頃の一年間の日記である。

ニューイングランドの美しい自然と動物たち、友人との交流、詩作、書物、生と死などをめぐる万感が、無垢な感性と作家の思索を通して文字になり、さらに、創造の時空としての孤独を見つめる穏やかな文章の水面下には、恐れ、悲しみ、喪失と、、女に禁忌とされてきた怒りの爆発を直視する“戦士”がいる。そして、彼女は言う「私から年齢を奪わないでください。働いて、ようやく手に入れたのですから」。

50冊以上の作品を世に送り、その精神のたたずまいに感応する読者を各世代に獲得しているサートンの、これはまさに代表作である。


「独り居の日記」の著訳者:

メイ・サートン
May Sarton
1912年ベルギーに生まれる。4歳のとき父母とともにアメリカに亡命、マサチューセッツ州ケンブリッジで成人する。一時劇団を主宰したが、1938年に最初の詩集を出版した後は著述に専念する。小説家・詩人であり、日記、自伝的作品も多い。1995年歿。おもな作品は、日記『独り居の日記』『海辺の家』『回復まで』、エッセイ『夢見つつ深く植えよ』『私は不死鳥を見た』、小説『今かくあれども』『ミセス・スティーヴンズは人魚の歌を聞く』『総決算のとき』、そして『猫の紳士の物語』、詩集『一日一日が旅だから』などで、いずれも〈メイ・サートン・コレクション〉に収められている。ほかにAt Eighty Two: A Journal(1996)などがある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
武田尚子
たけだ・なおこ
Naoko Takeda Yarin。岡山県に生まれる。津田塾大学英文科卒業。翻訳家。アメリカ在住。訳書 モリス『テレビと子供たち』(1972)、デニスン『学校ってなんだ』(1977)、ブルーメンフェルド『ジェニーの日記』(1984)、シルバーマン『アメリカのユダヤ人』(1988)、リフトン『子供たちの王様――コルチャック物語』(1991、いずれもサイマル出版会)、サートン『独り居の日記』(1991)、『今かくあれども』(1995)、『夢見つつ深く植えよ』(1996)、『猫の紳士の物語』(1996)、『私は不死鳥を見た』(1998)、『海辺の家』(1999、いずれもみすず書房)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

野崎泉<2009年8月号:天然生活>

この本の関連書


「独り居の日記」の画像:

独り居の日記

「独り居の日記」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/280頁
定価 2,940円(本体2,800円)
ISBN 4-622-04545-1 C1098
1991年11月8日発行

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