文学シリーズ lettres
戦いの後の光景
PAISAJES DESPUES DE LA BATALLA
ある朝、寝ぼけ眼で通りに出た住人は、店の看板ばかりか道路標識までが見慣れぬ文字に書き替わっているのに仰天した。町中の大騒ぎを尻目に部屋で爪をみがく謎の人物。その男は公園で少女に声をかけては変態写真を撮り、いやらしい投稿記事を集めている。事件はやがて思わぬ展開を……
アラビア語、トルコ語に満ちた移民地区のパリ、ポストコロニアルな、流れ者の、文盲のパリを舞台に、未来の混血都市の地図を描き出し、読む者をユートピアに向けて、フィクションと寓話に向けて開いてゆく、現代文学の快挙。
「戦いの後の光景」の著訳者:
- フアン・ゴイティソーロ
- Juan Goytisolo
- 1931年、パルセローナ生まれ。1953年から小説を発表しはじめ、1956年、兵役を終えてパリに移住。初期の作品としては『フィエスタス』(1956、邦訳、モラブアカデミア刊、1986)などがあり、スペイン内戦以後の世代で国際的に認知された最初のスペイン作家として、フランコ政権下のスペイン国の政治文化状況について活発に発言するポレミックな存在となる。しかし、その定型的な役割が個人的表現の妨げとなっているとして、1963年以後、従来の民主化運動から離れる。60年代の後半からは『フリアン伯爵の復権』(Reivindicacion del conde don Julian,1970)、『土地なきフアン』(Juan sintierra、1975)などで筆記の実験に取り組むとともに、ヨーロッパに根深く存在するイスラム的なものをテーマとしてとりあげるようになる。近作には『サラエヴォ・ノート』(1993、邦訳、みすず書房、1994)、『マルクス家のサーガ』(La saga de los Marx、1993)などがある。現在はパリとマラケシュの間を往復する暮らしだという。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 旦敬介
- だん・けいすけ
- 1959年、東京生まれ。作家、旅行者、翻訳者。1984年よりメキシコ、スペイン、ブラジル、ケニアなどに魔術的なものを求めて暮らす。著書『ブラジル宣言』(共著、弘文堂)、『逃亡篇』(NHK出版)、『ようこそ、奴隷航路へ』(新潮社)など。訳書 ガルシア・マルケス『十二の遍歴の物語』『愛その他の悪霊について』(以上、新潮社)、『幸福な無名時代』(ちくま文庫)、バルガス・リョサ『世界終末戦争』(新潮社)、グレアム『夜明けの瞼』(リブロポート)、ソウザ『アマゾンの皇帝』(弘文堂)、エロイ・マルティネス『サンタ・エビータ』(文藝春秋近刊)、キンケイド『スモール・プレイス』(平凡社近刊)など。現在、千葉市在住。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
「戦いの後の光景」の画像:
「戦いの後の光景」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/248頁
- 定価 2,625円(本体2,500円)
- ISBN 4-622-04609-1 C0097
- 1996年12月13日発行