ブルームズベリー叢書
ロジャー・フライ伝
ROGER FRY ; A BIOGRAPHY
- 著者
- ヴァージニア・ウルフ
- 訳者
- 宮田恭子
「趣味が一人の人間によって変えられるとすれば、それはロジャー・フライによって変えられた」――ケネス・クラークはフライの没後にこう書いて称賛したが、彼の考えでは、フライに比肩しうる美術評論家はラスキンだけであった。また、ハワード・ハネーはこう記している――「没後のロジャー・フライの美術界での位置は独特で、それに匹敵したのは人気絶頂期のラスキンのみだった……学者は現代美術に関するフライの意見に耳を傾けたが、それは彼らよりフライのほうが過去の美術に詳しかったからであり、画家は彼の歴史概説に注目したが、それは彼の概説が現代絵画を明らかにするものだったからである。」
ロジャー・フライは厳格なクエーカー教徒の家に生まれ、最初は科学者を志したが、ケンブリッジ大学に進むやしだいに絵画に魅かれ、画家=美術評論家へと転進した。自ら絵を描くのと平行して、精力的に講演や執筆をこなし、若い画家たちを先導した。1910年には「第一回後期印象派展」を組織して、イギリスに「おそろしい興奮」を引き起こした――ウルフはこのユニークな画家=美術評論家の生涯を、その生い立ちからブルームズベリー・グループとの交友、メトロポリタンやオメガ工房との関係、セザンヌへの注目、さらに戦争の歳月を経て晩年へと辿りつつ明らかにしてゆく。イギリスの美術界を一新させたフライ、その多様かつブリリアントな〈精神の運動〉を描いた作家の手になる創造的な伝記。
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「ロジャー・フライ伝」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/400頁
- 定価 4,200円(本体4,000円)
- ISBN 4-622-04634-2 C1098
- 1997年9月10日発行
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