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大西巨人文選 2

途上

1957-1974

著者
大西巨人

遂に大作『神聖喜劇』の執筆が開始され、作家・大西巨人は気の遠くなるほど長期にわたる闘いの日々に入っていく。だが、その傍らで断続的に書き継がれていくエッセイの筆は、ますます研ぎすまされ、射程の広がりと深みを増していく――

現在もなお克服し得ず、形を変えて立ち現われる思想の病理を衝く「ハンセン病問題」、三島事件を予知し、その理論的問題性すら抉り切った「軍隊内階級対立の問題」、《学校》という制度のはらむ死角を、20年以上前に見事に指摘した「文部大臣への公開状」、「俗情との結託」のテーマを深化させた、論争的文学原論「作者の責任および文学上の真と嘘」ほか、珠玉の論考を収録する。他ならぬこの国で考えることへの勇気を、私たちはここから学ぶことができる。

巻末対話は、若き批評家、武藤康史氏を迎えて、「共産党との関わり・その他」と題し、党での活動、「除名」の経緯を含めた貴重な体験的証言をインタヴューする。


「途上」の著訳者:

大西巨人
おおにし・きょじん
1919年福岡市生まれ。九大法文学部中退。毎日新聞西部本社に入社後、1942年対馬要塞重砲兵連隊に入隊する。戦後、福岡で『文化展望』の編集に従事、また『近代文学』同人として、小説・評論を執筆。1952年上京、新日本文学会常任中央委員に就く。1972年同会退会。1955年からほぼ四半世紀を費やして完成した4700枚の大長編小説『神聖喜劇』(1978-80、光文社/1982、文春文庫/1991-92ちくま文庫)は、現代日本文学の金字塔と称される。他に主な小説作品として、『天路の奈落』(1984)、『地獄変相奏鳴曲』(1988)、『五里霧』(1994、以上講談社)、『三位一体の神話』(1992、光文社)、『迷宮』(1995、光文社/2000、光文社文庫)、詩華=批評集として『春秋の花』(1996、光文社/1999光文社文庫)、批評選集として『大西巨人文選』1-4(1996、みすず書房)がある。最近刊は短編小説『二十一世紀前夜祭』(2000、光文社)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「途上」の画像:

途上

「途上」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/488頁
定価 4,725円(本体4,500円)
ISBN 4-622-04642-3 C1395
1996年11月29日発行

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