みすず書房

エラスムスの勝利と悲劇

ツヴァイク伝記文学コレクション 6

TRIUMPH UND TRAGIK DES ERASMUS VON ROTTERDAM WORTE WAHREND DES WELTKRIEGES DER EUROPAISCHE GEDANKE IN SEINER HISTORISCHEN ENTWICKLUNG

判型 四六判
頁数 340頁
定価 2,420円 (本体:2,200円)
ISBN 978-4-622-04666-0
Cコード C0397
発行日 1998年11月6日
備考 現在品切
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エラスムスの勝利と悲劇

ルネサンス最大の人文主義者、ロッテルダム出身のエラスムス(1466頃-1536年)。最初の宗教改革者として、カトリック教会の制度を批判し、聖書の校訂を行い、古代文献の紹介によって、信仰の内面化に道を開いた。その後ルターが宗教改革を唱えて勢力を伸ばした際は、カトリックそしてプロテスタントいずれにも組せず、批判を受けながらも自由な思考を貫いた。少年期、青年期の修道院生活から筆を起こし、『痴愚礼讃』の執筆から名声の獲得、エラスムスを描いた肖像画について、そして死に至るまでを描く。

ナチスの影がヨーロッパを覆い始めた時期に書かれた、ツヴァイクのヒューマニスティックな思想を開陳する評伝である。

他に第一次世界大戦中の反戦的な態度、ヨーロッパ協調への決意を示した五篇の論文(不眠の世界/うれい知らぬ人びとのもとで/ベルタ・フォン・ズットナー/ヨーロッパの心/砲火)を「世界大戦中の発言」に、ヨーロッパの統合理念の伝統を要約した講演「ヨーロッパ思想の歴史的発展」を収める。