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世界文学の文献学

GESAMMELTE AUFSATZE ZUR ROMANISCHEN PHILOLOGIE


「われわれがいま現にあるわれわれになったのは、このわれわれの歴史の中でこそである。われわれは歴史の中でのみ、いまあるわれわれでいられるのであり、またその中でしか、いまあるわれわれを展開させることができない。このことを肝に銘じて忘れないように明示することが、げんだいの文献学学者の使命なのだ」
『ミメーシス』で知られ、今世紀最大の碩学といわれる著者の代表的論文を、ここに集成した。ダンテとヨーロッパ中世文学、著者が範としたG.ヴィーコ研究、モンテーニュ、パスカルからボードレール、プルーストまでを扱ったフランス文学論を軸に、論文26編と書評14編を収録。伝説的な長編「フィーグラ」や白鳥の歌「世界文学の文献学」をはじめとしたその一つ一つには、該博な知識と方法論と想像力に裏打ちされた、本物の文学の姿、批評の精神が刻まれており、まさに圧巻である。
本質を明かす役割をはたす細部へのこだわりや、時間や空間を相対化しつつも、そこに一種の普遍を考えようとする著者の精神状態は、ギンズブルグやサイードに多大な影響を与えてきたことを例にあげるまでもなく、現代の批評界に必要なものであろう。本書は、姿かたちこそ違え、著者が書評しているクルツィウスの『ヨーロッパ文学とラテン中世』に匹敵する作品である。


「世界文学の文献学」の著訳者:

エリック・アウエルバッハ
Erich Auerbach
1892年ベルリンに生まれる。ハイデルベルクで法律を、第一次大戦後グライフスヴァルト大学でロマンス語文献学を学んだ後、マールブルク大学で教鞭をとるが、ナチス政権の誕生とともにイスタンプールへ亡命。1947年アメリカへ渡り、ペンシルベニア、プリンストン、イエールの各大学に迎えられる。ロマニスト、文芸評論家として著名。主要著書に『世俗詩人ダンテ』(1929)『17世紀のフランス公衆』(1933)『新ダンテ研究』(1944)『ミメーシス』(1946)『ロマン文学研究入門』(1949)『フランス文化史研究論集』(1951)『ラテン古代後期および中世における文学語と公衆』(1958)など。本書は主要論文の集大成である『ロマンス語文献学論文集成』(1967)の邦訳である。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
高木昌史
たかぎ・まさふみ
1944年旧満州国鞍山に生まれる。1975年東京都立大学人文科学研究科大学院博士課程満期退学。ドイツ文学専攻。現在国学院大学文学部教授。共著「ゲーテとベトラルカ」(『プリスマ』所収、小沢書店、1991)訳書 リューテイ『昔話と伝説』(1995)『メルヘンへの誘い』(1997)(ともに共訳、法政大学出版局)編訳『庭園の歓び』(三交社、1998)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
岡部仁
おかべ・ひとし
1947年に生まれる。東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。ドイツ文学専攻。現在東京都立大学教授。訳書 コメレル『カルデロンの芸術』(法政大学出版局、1989)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「世界文学の文献学」の画像:

世界文学の文献学

「世界文学の文献学」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/544頁
定価 11,550円(本体11,000円)
ISBN 4-622-04706-3 C3098
1998年9月14日発行

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