みすず書房

ナボコフ書簡集 2

1959-1977

VLADIMIR NABOKOV: SELECTED LETTERS 1940-1977

判型 A5判
頁数 294頁
定価 6,380円 (本体:5,800円)
ISBN 978-4-622-04712-4
Cコード C1098
発行日 2000年7月3日
備考 現在品切
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ナボコフ書簡集 2

この書簡集をとおして見えてくるのは、言葉によって生き、言葉に命を懸けたひとりの誇り高き作家の生涯である。父を殺され、故郷を失い、ナチズムの暴政を逃れてアメリカに渡り、己の言葉の力のみを信じて生き抜いた作家のこれは信念の記録である。編集者や翻訳者に対する遠慮のない物言い、自作の校正とカバー・デザインに対する口うるさい注文、原稿料や仕事の報酬に対する不平、要求、確認、インタヴューに対する神経質なこだわり、発言の削除の要求等々、本書の読者はナボコフの気むずかしさと頑固さに目を奪われるかも知れないが、これは活字になる言葉が自分のすべてであるという信念の異なる表われにすぎないのだ。そう、手紙のなかででナボコフ自身が言っている——「文体が私のすべてだ」と。——訳者あとがきより

『ロリータ』の成功をきっかけにコーネル大学を辞し、ヨーロッパに戻ったウラジーミル・ナボコフは、やがてモントルーのホテルに居を定め、『青白い炎』『アーダ』などの傑作を執筆した。高まる名声にも惑わされず、ひたすら文学に専心する晩年が、この書簡集によって明らかにされる。全2巻。