みすず書房

詩篇は、定型詩の可能性に挑んで反響を呼んだ「さえずりきこう」と、沖縄をめぐる「宮古」を収める。

短篇は、戦中の詩人たちの受難を描いた「硫酸の日々」ほか、「サマー・タイム」と「重か、ばい?」を収録。

長篇「永井荷風論」は、河野多惠子氏が朝日新聞の文芸時評一回分すべてを使って論じたごとく、詩人ならではの、ユニークな作家論である。最後に「詩人の小説」ほか、4篇のエッセーを収録する。

目次

I 詩
宮古(抄)
宮古
さえずりきこう(抄)
ジャック・ラカン/八月のバラッド/報復なのか、雀蜂に刺されるのバラッド

II 三つの短篇——「重か、ばい?」ほか
サマー・タイム/重か、ばい?/硫酸の日々

III 永井荷風論
序章/第二章/第三章/第四章/第五章/終章

IV 「詩人の小説」その他のエッセイ
谷崎と三島/三島由紀夫展を見て/吉行淳之介の『夕暮まで』/詩人の小説——あるいは時と散文をめぐって

作品ノート