みすず書房

素白先生の散歩

大人の本棚

判型 四六判
頁数 248頁
定価 2,860円 (本体:2,600円)
ISBN 978-4-622-04821-3
Cコード C1395
発行日 2001年12月7日
備考 現在品切
オンラインで購入
素白先生の散歩

「直接おそわったことはないが、その本からいろいろ学んだ。たとえば散歩の楽しさを知った。騎西、牛堀、布佐、向島、大利根、関宿、白子の宿……むろん、散歩だけではない。何よりも静かな文章を学んだ。静けさのしみとおった言葉づかいを」。(編者解説)

素白先生=岩本堅一はジャーナリズムから遠く離れて生き、その消息は知るひとぞ知る。優れた国文学者にして、恐るべき散歩の達人。早稲田の同期生だった歌人・窪田空穂によると「教員という職は大体安定したものであるが、それにしても岩本君はその上での単純と純粋を極めた人という感がある」。その世に隠れた珠玉の随筆を精選して、大人の読書人に贈る。

目次

「山居俗情」
牛堀と長瀞
街の灯
目黒の里
田舎のうち
銀杏の寺
寺町
一本松
遊行三昧
柴又と流山
騎西と菖蒲
つくだ島

深夜の水
時雨
吹き井
荒れた寺と寂しい人々
物の音

「素白集」
高台寺二趣
花の寺
浴泉
湯島
最初の怪異
ぼて茶碗

菓子の譜
布佐
おいそれ者
がんぽんち
物部と辨玉

「素白集以後」
筑波
向島
素湯のような話
独り行く
白子の宿
狂多くして
小御門
東海道品川宿(一)
東海道品川宿(三)

「遺珠」
古祠
孤杖飄然
街頭山水
靴の音

解説 池内紀