みすず書房

セーヌは左右を分かち、漢江は南北を隔てる

SENEUGANGEUN JWAURUL GARUGO HANGANGEUN NAMBUKEUL GARUNDA

判型 四六判
頁数 312頁
定価 3,080円 (本体:2,800円)
ISBN 978-4-622-04865-7
Cコード C0098
発行日 2002年6月18日
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セーヌは左右を分かち、漢江は南北を隔てる

韓国で1995年に出版されるやベストセラーとなり、翌々年に小社で翻訳刊行された、パリでただ一人のタクシー運転手として出喰わす悲喜劇を鮮やかに描いた『コレアン・ドライバーは、パリで眠らない』は、日本でも多くの反響を呼んだ。

あれから5年。読者待望の続編が、いよいよ登場する。運転席を降りても、著者独自の〈生活者の視線〉は依然、健在である。流行、教育、カフェ、地下鉄、人種問題……軽妙かつ真摯に、具体的なものから思考する著者の文章は、きわめて興味深い韓‐仏の、さらにはアジア‐ヨーロッパ比較文化論たり得ている。

そして何よりも、実に20年ぶりに祖国の土を踏んだ感動のドキュメントを末尾に収めた本書は、日本の読者のために、著者自ら撮った貴重な写真も初めて加え、新たに編集した必読の一冊である。

目次

はじめに
I あいつもフランス人だ!
個性か、流行か
権威主義は去れ
五千九百万の個性が光る国
自分を探して

II フランス人の話
フランスの一般人たち
哲学カフェで討論を
生の多様な風景
自動車と地下鉄
フランス社会の裏面

III 韓国とフランス——二つの社会の出会い
教師は恥を知れ
教育の現実、二つの姿
哀れな朝鮮語
略奪文化財の返還問題を見る目
トレランスに付け加える二つの蛇足

IV 南北と左右
社会正義は秩序に優先する
社会主義について
セーヌはパリを左右に分かつ

V あなたへと続く道を、私は知っている
悲しい大陸バラード
若き友よ、あなたへと続く道を私は知っている
二十年ぶりの帰国日誌

訳者あとがき