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人間に未来はあるか【新装版】

「生命操作」の時代への警告

THE BIOLOGICAL TIMEBOMB


〈この訳書が二十数年前に発行された時は、多くの方々に読まれ、大きな波紋を投じたが、一種の未来科学物語として忘れられ、絶版になっていた。しかし今、生物学は生命科学として、DNA(生命情報)の解読と操作、生殖技術の急進展などにより、“生命操作”という未知の暗黒の世界に私たちを突き入れてしまった。

ルイーズちゃんの誕生(1978)以来試験管ベビーは日常のこととなり、クローン動物も羊以外にも多く誕生しつつある。この本は、このような生命操作、ひいては脳(心)の操作の時代のくることを、年代的に予言しており、翻訳しながらも、ぞくぞく寒気のしたことを思い出す。遺伝子診断、遺伝子治療、クローン人間、動物の頭のすげかえなどが、現実的話題になっているときに、長い間手に入らなかった本書が、多くの人々に改めて読まれることになったことは、訳者として大いに喜ばしい〉(渡辺格)

本書は、生物学的時限爆弾がもたらすであろう効果と、その爆発の時期について、身の毛のよだつようなショッキングな物語を繰り広げる。人工移植、人工臓器の技術の進歩がもたらす人間冷凍の開発、それにともなう人類の数多くの病気からの解放と寿命の延長、遺伝子工学によって作られる優秀家畜のような人間のエリート族、さらに脳生理学と新しい薬物の進歩による、人間の感情の操作と知能の改善…

このような予見可能な具体例をあげながら、著者はかかる事態に対する人間の英知、新たなる法や倫理の重要性を説く。まさに今日求められるべき必読書であろう。


「人間に未来はあるか【新装版】」の著訳者:

ゴードン・R・テイラー
Gordon Rattray Taylor
1911年イギリスに生まれる。ケンブリッジ大学で生物学を学ぴ、ジャーナリズムの世界に入る。第二次大戦中、BBCで働き、また連合国派遣軍最高司令部(SHAEF)の心理戦争班に勤務した。戦後、BBC放送のテレビ、ラジオの科学番組に清新な企画を導入したことでも有名であり、科学ジャーナリズムにおける科学の解説や批判記事も有名である。著書は本書 The Biological Time Bomb(『人間に未来はあるか』1969)とその姉妹編 The Doomsday Book(『地球に未来はあるか』1971)の他 Sex in History(『歴史におけるエロス』1974)The Science of Life(『生物学の歴史』1963)など多数。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
渡辺格
わたなべ・いたる
1916年松江市に生まれる。1940年東京帝国大学理学部化学科卒業。東京大学教授、京都大学教授、慶應義塾大学教授、日本ウイルス学会、日本生物物理学会、日本分子生物学会の各会長、国際学術連合会議日本代表、日本学術会議副会長を歴任。現在慶應義塾大学名誉教授、(社)農林水産先端技術産業振興センター会長、(株)ヤクルト本社常任顧問、「新しい文明を考える会」会長。著書『人間の終焉』(朝日出版社、1976)『生命のらせん階段』(文藝春秋、1978)『生命科学の世界』(NHKブックス、1986)『なぜ死ぬか』(同文書院、1993)ほか。訳書 ステント『進歩の終焉』(共訳、みすず書房、1972)モノー『偶然と必然』(共訳、みすず書房、1972)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
大川節夫
おおかわ・せつお
1933年大阪市に生まれる。1959年大阪大学理学部物理化学修士課程修了。1960年朝日新聞社入社、1993年同社退社。訳書 テイラー『地球に未来はあるか』(1971、1998、みすず書房)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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人間に未来はあるか【新装版】

「人間に未来はあるか【新装版】」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 2,625円(本体2,500円)
ISBN 4-622-04935-X C0045
1998年3月20日発行

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