みすず書房

ジャン・ルノワール自伝【新装版】

MY LIFE AND MY FILMS

判型 四六判
頁数 388頁
定価 4,180円 (本体:3,800円)
ISBN 978-4-622-04998-2
Cコード C1023
発行日 2001年10月10日
備考 現在品切
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ジャン・ルノワール自伝【新装版】

著者は印象派の巨匠オーギュスト・ルノワールの第2子で、「どん底」「大いなる幻影」「河」「フレンチ・カンカン」などの作品で著名な映画監督である。
自伝は19世紀末期のフランスに始まる。洞察力に富んだ父とお守役のガブリエルを中心に世界は動く。人形芝居やモンマルトル劇場の大活劇に胸をおどらせた日々、また、その「仮面を通して、裏にある真実の顔を見ること」を教えてくれたガブリエル。「映画史上もっとも生き生きとした映画」(F.トリュフォー)を作る芽をはぐくんだ環境をここに見ることができよう。
「水の娘」から始まる著者の映画作家としての活動は、表現形式のたえざる革新をへて、ほぼ40本の作品として結晶した。
本書はこの創造の過程を内側から物語るものであり、また、ミシェル・シモン、ジャン・ギャバン、エーリッヒ・フォン・シュトロハイム、チャールズ・チャップリン等々、映画史の上にきら星のように輝く人物たちとの出会いをあざやかに描いている。
「私は何もここで、自分の作った映画を全部網羅した事典を書くつもりはない。私は自分の記憶のうちから、私を今日の自分たらしめるにあずかって力あったと私が思う人々や出来事、そういう人々や出来事に関わる思い出を選び出してみたのである。」(まえがき)

[1977年7月初版発行]

目次

まえがき
マック・セネット
デュフェイエル百貨店
らくだの着物
マガニョスク
人形芝居……
三銃士
ゴッドフェールの靴
シャルロという名の俳優
D・W・グリフィス
カトリーヌ
映画作法を求めて
トリックさまざま
友情
映画熱
「女優ナナ」
ジャック・ベッケル
ベルリン——別種の影響
映画は芸術なりや?
サイレントからトーキーへ
「牝犬」
マルセル・パニョル
人民戦線
精神とその表現
俳優と真実
アルベール・ピンケヴィッチ
ラ・マドロン
ひまし油の芳香
全体の一部
「大いなる幻影」における写実
ささやかな諍い——「大いなる幻影」
1939年・「ゲームの規則」
奴らの天井、もう沢山
大脱出(エクソダス)
赤銅人国滞留——始めの日々
「沼地」(スワンプ・ウォーター)
変れば変るほど
仮装趣味
チャールズ・ロートン
ダッドリー・ニコルズ
市への旅
フィデールまたは芸術愛
「南部の人」
生きるから死ぬまで
「浜辺の女」
「河」
クリフォード・オデッツ
人工——内的真実の勝利
舞台の脚光
国家という名の遺物

訳者あとがき
映画題名
ジャン・ルノワール作品表