みすず書房

コーマルタン界隈

みすずライブラリー 第2期

判型 四六判
頁数 224頁
定価 2,640円 (本体:2,400円)
ISBN 978-4-622-05042-1
Cコード C1395
発行日 1999年9月10日
備考 現在品切
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コーマルタン界隈

パリの街で「私」が住んだところは、「昼間、百貨店目指して方々から押寄せて来た人波が溢れ出て流れ込み、日暮れとともに汚物を残して退いて行く、まるでどぶ川のごとき場所」だった。夜になれば売春婦が出没するこの賑やかな街で、ひっそりと暮らす「私」が界隈の人たちと持つ、けっして深くはないが浅くもないかかわり。気配だけで知っているアパートの隣人、犬を連れた女、毎朝通うパン屋の無愛想なマダム、大道芸人……。
発表当時、「忘れがたい連作小説、いや、忘れてはならない作品」(篠田一士)と評された短篇集に、やはりパリでの暮らしに材を得た「オートゥイユ、仮の栖」を添えた。解説・堀江敏幸。