みすずライブラリー 第2期
今日のトーテミスム
LE TOTEMISME AUJOURD’HUI
19世紀以来、《未開》社会のある社会集団と特定の動植物や無生物(トーテム)との間に交わされる特殊な制度的関係はトーテミスムと呼ばれ、幾多の実地調査が重ねられてきた。しかしそれぞれの《未開》社会を調べるほどに、各事例の間には一般化できない種々の差異があることが分かってきた。
レヴィ=ストロースは、従来のトーテミスム理解は、人間と自然を非連続として捉えるキリスト教的思考の恣意と幻想にすぎないと批判する。フレイザー、ボアズ、マリノフスキー、デュルケームなどのトーテミスム理論を分析しつつ、トーテミスムについての新しい捉え方の先駆をルソーやベルクソンに見いだし、現実(自然)を前にした人間精神の操作、論弁的な思考の構造を明らかにする。
「今日のトーテミスム」の著訳者:
- クロード・レヴィ=ストロース
- Claude Levi-Strauss
- 1908年ベルギーに生まれる。パリ大学卒業。1931年、哲学教授資格を得る。1935―38年、新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、人類学の研究を始める。1941年からニューヨークのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチで文化人類学の研究に従事。1959年コレージュ・ド・フランスの正教授となり、社会人類学の講座を創設。1982年退官。アカデミー・フランセーズ会員。著書『親族の基本構造』(番町書房1977-78、青弓社2000)『人種と歴史』(みすず書房1970)『悲しき熱帯』(中央公論杜1977)『構造人類学』(みすず書房1972)『野生の思考』(みすず書房1976)『仮面の道』(新潮社1977)『神話と意味』(みすず書房1996)『構造・神話・労働』(みすず書房1979)『はるかなる視線』(みすず書房1986、1998)『やきもち焼きの土器つくり』(みすず書房1990)『遠近の回想』(共著・みすず書房1991)『レヴィ=ストロース講義――現代世界と人類学』(平凡社ライブラリー2005)『みる きく よむ』(みすず書房2005)『生のものと火を通したもの一神話論理I』(みすず書房2006)『ブラジルへの郷愁』(みすず書房1995)他。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 仲澤紀雄
- なかざわ・のりお
- 1930年東京に生まれる。1953年東京大学教養学部数養学科フランス科卒業。専攻 フランス哲学・思想。訳書 ベルクソン『笑い』(白水社、1965、共訳)シュヴァリエ『ベルクソンとの対話』(1969)ジャンケレヴィッチ『死』(1978)『仕事と日々・夢想と夜々』(1982)『道徳の逆説』(1986)(以上みすず書房)アラン『考えるために』(小沢書店、1978)リュフィエ/スールニア『ペストからエイズまで』(1988)リュフィエ『性と死』(1990)ジャンケレヴィッチ『還らぬ時と郷愁』(1994)『音楽と筆舌に尽くせないもの』(1995)ショーニュ/ドッス『歴史のなかの歴史家』(1996)アトラン/ブーケ『生命科学と生命』(1996)ドッス『構造主義の歴史 下巻』(1999)ドッス『意味の支配』(2003)(以上国文社)ベルナール『バイオエシックス/生物学から倫理へ』(医学書院、1993、監訳)。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
「今日のトーテミスム」の画像:
「今日のトーテミスム」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/256頁
- 定価 2,835円(本体2,700円)
- ISBN 4-622-05058-7 C1310
- 2000年9月7日発行