みすず書房

戦争への道における教育と天皇制の関わりの諸相。宮城遙拝、君が代、日の丸、尊徳像、「聖訓ノ述義ニ関スル協議会」報告書など。

本資料は「御真影」と「教育勅語」に焦点を当て、近現代日本における教育の本質に迫ることを目ざして編集された。最終巻は、「八紘一宇への途」「未完の終焉」と題した二つの柱から成る。
台湾領有以来、のちの「大東亜共栄圏」に至る帝国拡大の道筋で実行された皇民化政策。その一環として、アジア・太平洋の各地においても教育勅語の浸透が図られた。ここでは朝鮮・台湾・関東州・南洋群島に対する施策を法規類を通して検証する。
敗戦と連合国軍による占領により、従来の天皇性教育は見直しを迫られる。しかし日本側の対応は消極的なものにとどまった。奉体システムの名残が、今日なお曖昧なかたちで教育に影を落とすのはなぜか。「御真影」「教育勅語」の処遇をめぐる経緯を、未公刊のGHQ文書を含む資料であとづける。
『教育』全三巻の収録資料一覧を巻末に掲載。


[1996年10月初版発行]

目次

凡例

七 八紘一宇への途
(1)朝鮮
(2)台湾
(3)関東州(中国東北部)
(4)南洋群島
八 未完の終焉
(1)1945(昭和20)年
(2)1946(昭和21)年
(3)1947(昭和22)年
(4)1948(昭和23)年〜1950(昭和25)年
補遺
(1)「御写真録」より抄録
(2)台北師範学校『教育勅語ニ関スル調査概要』
収録資料一覧