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ロマン・ロラン全集 5【オンデマンド版】

小説 V コラ・ブルニョン/ピエールとリュース/クレランボー

COLAS BREUGNON / PIERRE ET LUCE / CLERAMBAULT

訳者
宮本正清

「コラ・ブルニョン」は愉快な本だ。ブルゴーニュ生まれの律儀者のコラ・ブルニョン。しっかり者の木彫師、呑んべえで、ひょうきん者で、道化師の珍妙なマメの王様だ。しかし彼は、不幸に見舞われれば忽ちストア派で、無欲恬淡になる。上機嫌さ、すばらしい陽気さで、死も禍もすべてのりこえてゆく。〈闘うことは苦しいさ、それでも闘いは楽しみだ〉
ブルゴーニュの葡萄畠の野の風にさらされ、機智の塩が利いた笑いの傑作だ。コラの笑いはラブレーやモリエールの笑いの親戚であろう。

戦争のただ中から生まれ、いわば水彩でやさしく描いた一篇の愛の牧歌、その惚々とするような短篇が「ピエールとリュース」である。子供のような二人の恋人同志が、時代の深渕の上で無心に遊んでいる。大砲のとどろき、爆弾の落下、それらは、この歓喜に酔う二人の夢みる陶酔のなかでは消えてしまう。愛は一人の人間のなかに世界を見出し、憎しみと迷妄の世界は全然感じていない。死すら彼には夢である。詩人ロランの純粋さが、青春を明るく輝かしく描き出した名篇。

「クレランボー」は1916年から20年まで四年間を費して書かれた。これは戦争という集団的狂気のただ中におかれた一人の自由精神をテーマとする。誤りと無気力のうちから自己克服によって透明な境地へ一段一段と上ってゆく。同時にそれは、一個人の心に映じた世界の狂気のカレイドスコープでもあるのだ。その狂気集団の現象の描写は、おそらく読者にこの本が、60年前に書かれたとは到底思えない迫真性を感じさせるだろう。

     *
(みすず書房では『ロマン・ロラン全集』を、第一次(全53巻、1947年1月―1954年10月)、第二次(全35巻、1958年11月―1966年8月)、第三次(全43巻、1979年11月―1985年12月)の三回にわたって刊行してきました。本書は、その第三次『ロマン・ロラン全集』の第5巻(1979年11月10日発行)を、2013年、オンデマンド版で復刊するものです。ここにご紹介するカバー画像は、オンデマンド版のものです)


目次


コラ・ブルニョン (宮本正清訳)
ピエールとリュース (宮本正清訳)
クレランボー (宮本正清訳)

訳者のあとがき


著訳者略歴

宮本正清
みやもと・まさきよ

1898年、高知県に生れる。早稲田大学文学部仏文学科卒業。大阪市立大学教授、京都精華短期大学教授を歴任。ロマン・ロラン研究所を主宰。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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ロマン・ロラン全集 5【オンデマンド版】

「ロマン・ロラン全集 5【オンデマンド版】」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/492頁
定価 8,640円(本体8,000円)
ISBN 978-4-622-06239-4 C0397
2013年5月24日発行