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甘美なる来世へ

OFF FOR THE SWEET HEREAFTER


「それは私たちが禿のジーターを失くした夏だったが禿のジーターはジーターといってももはや大半ジーターではなく大半スロックモートンにたぶんなっているというか……」、作品冒頭、1238字も句読点なしでぶっちぎりに続く伝説的なセンテンスに度肝を抜かれた読者は、それから400頁に及ばんとするこの破天荒でワクワクする小説のワンダーランド、〈ピアソン・ワールド〉に参入する、通過儀礼を済ませたことになるだろう。

舞台はアメリカ南部、小さな田舎町ニーリーである。その小さなコミュニティを世界全体として生きる人々の、何ということもない日常が、抱腹絶倒の生き生きとした見事な筆致で描かれていくのを辿るうちに、驚くべき事件、グロテスクな人物の数々がゆっくりと姿を現し、やがては悲劇的な展開に進んでいく……

柴田元幸が惚れ込み、3年の歳月をかけてじっくり訳し上げた、笑いと脱線と戦慄に満ちた空前絶後の物語。バスター・キートンもかくやと思わせ、21世紀のスターンともフォークナーとも喩えられる、アクロバティックな’超文章’の果てに浮かび上がる〈上等な憂鬱〉を、柴田氏の超絶技巧の名訳で、ぜひご堪能あれ。


「甘美なる来世へ」の著訳者:

トーマス・R・ピアソン
Thomas Reid Pearson
1956年アメリカ合衆国ノースキャロライナ州ウィンストン=セーレムに生まれる。ノースキャロライナ州立大学、ペンシルヴェニア州立大学大学院で学んだ後、塗装・大工業に携わる傍ら小説を執筆、1985年A Short History of A Small Placeでデビュー、続いて発表した本書Off for the Sweet Hereafter(1986)、The Last of How It Was(1987)の「ニーリー三部作」によって作家としての地歩を固める。他の著書に、Call and Response(1989)、Gospel Hour(1991)、Cry Me A River(1993)、Blue Ridge(2000)、Polar(2002)、True Cross(2003)がある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
柴田元幸
しばた・もとゆき
1954年東京都に生まれる。東京大学助教授。専攻、現代アメリカ文学。著書に、『生半可版 英米小説演習』(研究社)、『アメリカ文学のレッスン』(講談社現代新書)、『愛の見切り発車』(新潮文庫)、『猿を探しに』(新書館)ほか。訳書に、オースター『幽霊たち』(新潮文庫)、ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』(白水Uブックス)、パワーズ『舞踏会へ向かう三人の農夫』(みすず書房)、ダイベック『シカゴ育ち』(白水Uブックス)ほか多数がある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「甘美なる来世へ」の画像:

甘美なる来世へ

「甘美なる来世へ」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/408頁
定価 2,940円(本体2,800円)
ISBN 4-622-07069-3 C0097
2003年11月21日発行

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