ディジタル著作権
二重標準の時代へ
- 著者
- 名和小太郎
本書は、電子環境の著作権について、法律、思想、規範、慣行、技術、システム、ビジネス、そして公衆の行動など、この事象を理解する上での重要事項を取り上げ解説する。複雑な著作権事情を判りやすく論じた意欲的な試みであり、本テーマにおける日本有数の著者の書き下ろしたこの書物は、正に必読の一冊と言えよう。
第I部において、著作権の理念、歴史、構造を示す。具体的には、まず、日常語の世界で、著作権がどのように理解されているかを示し、ついで、著作権制度の歴史と構造とを要約し、くわえて古典的・正統的な制度の骨子を紹介する。
第II部では、著作権制度がディジタル技術と市場経済によってどのように変質しつつあるか、さらにその保護領域をどのように拡張しているかについて、その入り乱れた状況を整理する。
第III部では、技術主導、市場優先の環境のなかで、現行の制度が社会における他の理念とどのように調和/衝突するのかを指摘し、著作権制度の近未来の姿を予測する。
「私が読者に訴えたいメッセージは二つである。第1は、現在、俗人と法律家あるいは著作権事業者とのあいだには、著作権の理解について大きい格差が生じてしまったことである。これはあってはならないことだろう。なぜならば、著作権は一つの法律であるにとどまらず、文明のあり方と深いかかわりをもつからである。私はここにこだわりたい。
第二は、現行の著作権制度は行き詰まるだろうということである。それは現在、あらゆるディジタル化した知的財産――磁気媒体、電波、ケーブルのいずれで流れようとも――を呑み込もうとしている。……その結果、複数の著作権制度が実質的に競合するようになるはずである。二重標準の時代が到来する。とすれば、私たちは強靱な意識をもたなければならない」(本文「はじめに」より)
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この本の関連書
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「ディジタル著作権」の書籍情報:
- A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/296頁
- 定価 3,675円(本体3,500円)
- ISBN 4-622-07076-6 C0036
- 2004年3月16日発行






