「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



ディジタル著作権

二重標準の時代へ


本書は、電子環境の著作権について、法律、思想、規範、慣行、技術、システム、ビジネス、そして公衆の行動など、この事象を理解する上での重要事項を取り上げ解説する。複雑な著作権事情を判りやすく論じた意欲的な試みであり、本テーマにおける日本有数の著者の書き下ろしたこの書物は、正に必読の一冊と言えよう。

第I部において、著作権の理念、歴史、構造を示す。具体的には、まず、日常語の世界で、著作権がどのように理解されているかを示し、ついで、著作権制度の歴史と構造とを要約し、くわえて古典的・正統的な制度の骨子を紹介する。

第II部では、著作権制度がディジタル技術と市場経済によってどのように変質しつつあるか、さらにその保護領域をどのように拡張しているかについて、その入り乱れた状況を整理する。

第III部では、技術主導、市場優先の環境のなかで、現行の制度が社会における他の理念とどのように調和/衝突するのかを指摘し、著作権制度の近未来の姿を予測する。

「私が読者に訴えたいメッセージは二つである。第1は、現在、俗人と法律家あるいは著作権事業者とのあいだには、著作権の理解について大きい格差が生じてしまったことである。これはあってはならないことだろう。なぜならば、著作権は一つの法律であるにとどまらず、文明のあり方と深いかかわりをもつからである。私はここにこだわりたい。

第二は、現行の著作権制度は行き詰まるだろうということである。それは現在、あらゆるディジタル化した知的財産――磁気媒体、電波、ケーブルのいずれで流れようとも――を呑み込もうとしている。……その結果、複数の著作権制度が実質的に競合するようになるはずである。二重標準の時代が到来する。とすれば、私たちは強靱な意識をもたなければならない」(本文「はじめに」より)


「ディジタル著作権」の著訳者:

名和小太郎
なわ・こたろう
1931年、東京生まれ。1956年、東京大学理学部物理学科卒業。工学博士。情報処理学会フェロー。石油資源開発(石油探査の研究)、旭化成(ロケット・エンジン及びパケット通信網の開発)、旭リサーチセンター取締役(技術政策研究)、新潟大学法学部教授(情報法)、関西大学総合情報学部教授(ネットワーク論)を経て、現在、国際大学GLOCOM客員教授、及び、江戸川大学客員教授。公職として、国立国会図書館科学技術情報整備審議会、郵政省通信放送融合懇談会の委員、著作権審議会、統計審議会、科学技術会議、工業標準化調査会の専門委員、学術著作権協会理事、日本データベース協会座長代理などを歴任。著書に、『電子仕掛けの神――法制度を揺るがす情報通信技術』(勁草書房 1986)、『技術標準 対 知的所有権』(中公新書 1990)、『雲を盗む――法廷に立たされた現代技術』(朝日新聞社 1995)、『サイバースペースの著作権』(中公新書 1996)、『科学書乱読術』(朝日選書 1998)、『デジタル・ミレニアムの到来』(丸善ライブラリー 1999)、『変わりゆく情報基盤』(関西大学出版部 2000)、『起業家エジソン』(朝日選書 2001)、『学術情報と知的所有権』(東京大学出版会 2002)、『ゲノム情報はだれのものか』(岩波書店 2002)などがある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「ディジタル著作権」の画像:

ディジタル著作権

「ディジタル著作権」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/296頁
定価 3,675円(本体3,500円)
ISBN 4-622-07076-6 C0036
2004年3月16日発行

この本を購入する