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メイ・サートン・コレクション

82歳の日記

AT EIGHTY-TWO


1994年8月、日記を書き終えたサートンはまもなく闘病生活に入り、1年たらずで亡くなった。長いあいだ、友人たちの手を借りながらも独り居の頑張りをつづけていたが、体調不良と死の予感とともにようやく〈老い〉を受け入れ、それでも最後までこの家に居たいと願って、日常をありのままに、ときにユーモラスに記録しつづけた。猫のピエロがベッドに上がってくるだけで幸せになり、積雪に閉じこめられる暗い冬になると、冬眠する動物になりたくなる。気鬱と闘いながら「すこしずつ手放すこと」を学び、いっぽう想念は時間も空間も越えて、少女時代にまで、あるいはサラエボにまで広がる。行間に滲む彼女ならではのオプティミズムと率直さと勇気は、きっと読者を魅了し、共感を呼ぶことだろう。

夢をしっかりつかめ
夢が消えると
人生は雪の凍りついた
不毛の荒野になるのだから。
(ラングストン・ヒューズの詩、本文より)


「82歳の日記」の著訳者:

メイ・サートン
May Sarton
1912年、ベルギーに生まれる。4歳のとき父母とともにアメリカに亡命、マサチューセッツ州ケンブリッジで成人する。一時劇団を主宰するが、最初の詩集(1938)の出版以降、著述に専念。小説家・詩人であり、日記、自伝的作品も多い。1995年逝去。著書『独り居の日記』(1991)『ミセス・スティーヴンズは人魚の歌を聞く』(1993)『今かくあれども』(1995)『夢見つつ深く植えよ』(1996)『猫の紳士の物語』(1996)『私は不死鳥を見た』(1998)『総決算のとき』(1998)『海辺の家』(1999)『一日一日が旅だから』(2001)『回復まで』(2002、いずれもみすず書房)他多数。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
中村輝子
なかむら・てるこ
北海道に生まれる。東京大学社会学科卒業後、1962年共同通信社入社。文化部記者、編集委員、論説委員を経て、98年退社。現在立正大学客員教授、ジャーナリスト。著書『女たちの肖像』(1986), 編著『生の時・死の時』(1977)、訳書 ボニントン『現代の冒険』(共訳, 1987)シンプソン『死のクレパス』(1991)ヘッド『力の問題』(1993)ベル『人種主義の深い淵』(1995)ハーストン『騾馬とひと』(1997)ヘメンウェイ『ゾラ・ニール・ハーストン伝』(1997)サートン『回復まで』(2002)他。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「82歳の日記」の画像:

82歳の日記

「82歳の日記」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/344頁
定価 2,940円(本体2,800円)
ISBN 4-622-07096-0 C0098
2004年8月10日発行

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